俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

hospital

2016-03-14 09:54:13 | Weblog
 東京オリンピックのキーワードの1つである「お・も・て・な・し」に当たる英語はhospitalityで、この語源はhospitalだと言われている。しかしこれは疑わしい。病院は快適な場所ではなくかなり不快な場所だからだ。治療であれ検査であれ苦痛以外の何物でもなかろう。
 hospitalは隠語だと思う。「何か」を隠蔽するために使われた言葉だろう。丁度、便所を「お手洗い」と呼ぶように。ではhospitalは何を意味するか?多分、「慰安所」だろう。衛生や管理のために戦場の慰安所の多くは野戦病院の傍に設置されそれを指す隠語としてhospitalという言葉が用いられたのではないだろうか。
 戦場における性欲処理について詳細に記した書物は見当たらず、以下は殆んどが憶測に基づくが、主な方向性として「現地調達」と「自前手配」に分類できるだろう。
 戦国時代を舞台にした時代劇では兵士が農家に乱入して女と食料を略奪するシーンがしばしば描かれる。多分これが根源的な現地調達だろう。その一方で前線基地や砦に対して中央から何らかの娯楽や享楽が提供されることがあるだろうし、その場所が常設されることになればそこが慰安所になる。
 自陣にいる軍隊に対する慰安は自前で提供できるが、敵陣まで赴いた軍隊を慰安することは難しい。敵陣にいる限り味方による性的支援など期待できず、自ずから自力による調達に頼らざるを得ない。言い換えれば自衛軍なら自前の慰安組織を持ち得るが侵略軍であれば現地調達に頼るということだ。
 独立戦争以外は殆んどが侵略戦争であるという世界に類を見ないユニークな国家であるアメリカは、軍のために本格的な慰安施設を持ったことが無いと思える。日米戦争後の進駐軍(占領軍)にせよ、現代の世界各国の米軍基地にせよ、米軍が駐留すれば婦女暴行の嵐が吹き荒れる。彼らを野放しにはできないから各国の政府は米軍のための売春施設を作ることを強いられる。フィリピンやタイなどのゴーゴーバーは明らかに米兵から市民を守るための防波堤であり、そこでの公用語は英語だ。
 日本の軍隊がいつから自前の慰安組織を備えるようになったのかはよく分からない。日清戦争や日露戦争の時点では到底そんな余裕は無く、多分、日中戦争時の満洲で始まりそれが各地に広がったと思える。
 これと全く異なるのがインドネシアの慰安所であり、当時植民地支配をしていたオランダの民間人に売春を強制させたと伝えられている。この関係者は戦犯として処刑されたためにこの件の真相は2025年に裁判記録が公開されるまでは謎のままだろう。
 自前の慰安所を知らないのは多分、世界中でアメリカ軍だけだろうが、このことは決して彼らの道徳レベルが高いからではない。防衛戦の経験が無いから現地調達によって性欲を充たし続けているだけだ。