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【今回は5作品をイッキ読み!】
今回は評論第十六弾として最近読んだ5作品を勝手に評価したい。
内容は殊能将之作品1つ、似鳥鶏作品4つの合計5作品について読書感想文として紹介しよう。
「午後からはワニ日和(2012年3月 文春文庫) 似鳥鶏 62」
「動物園シリーズ」の1巻目。
短編連作集だが全部がつながった1冊もの。
新シリーズのため、登場人物や背景を説明するのに序盤のストロークが長くて・・・
ストーリー的には「市立高校シリーズ」に近似していて似鳥ワールドとも??
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「100億人のヨリコさん(2019年6月 光文社文庫) 似鳥鶏 70」
物語は同氏にしては珍しいオカルトSFで前後半でストーリーが大きく変わっている。
前半の登場人物や背景を丁寧に説明し、後半はその解決編になっている。
前半は面白おかしく読めるが後半や終盤がちょっと残念だったかな。
そもそも何故「依子さん」なのかもモヤモヤなんだけど??
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「彼女の色に届くまで(2020年2月 角川文庫 ) 似鳥鶏 94」
似鳥鶏氏が描く独特の男女の距離感とともに多重トリックと同氏では珍しい多量の伏線回収術が見事だった作品。
ただし、中山七里作品でいうところの音楽描写の強い表現がこの作品にも展開している。
しかし、この作品に関してだけは、それが必ず必要であり重要なファクターにもなっている。
だから、ミステリー好きにはぜひ一度は手に取っていただきたい。
個人的には終盤で結構な駆け足になってしまったところは、ちょっと勿体なかったかなぁと評価しますが。
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「きみのために青く光る(2017年7月 角川文庫) 似鳥鶏 95」
青春SF短編集。
テーマはタイトル通りすべて共通となっている。
ただし、テーマは同じでも連作感はあまりないのに、一貫性があって面白い。
もしかしたら現実にあるかもしれない世界観は非常に見どころがある。
おススメだ!
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【今回のMVPは?】
「殊能将之 未発表短篇集(2022年8月10日 講談社) 殊能将之 96」
殊能ファンなら(最低でもハサミ男を読んだ後に)絶対に読んでおくべき一冊。
特に最終話は、小説家の目線をリアルに面白く描かれている。
また、裏エピとして彼がなぜ急逝してしまったのかもわかるような気がする作品。
何より、ハサミ男のエピソードは、やはり読んだ者にしかわからないだろうし。
ネタバレになるので、あまり多くは語りたくない。
しかし、こんな”あとがき”風な作品が、ひとつの作品になっているのがまたオツだし、なんだか泣けるんだよ。
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