昨日、旦那と低い山に登った。
標高450メートルくらいの山で、頂上まで1時間と書いてあった。
私たちは登山靴も無く、普通の運動靴だし、2人ともジーパンで、杖も持ってない。
とりあえず行けるところまで行ってみようと、出発した。
登山道はきちんと整備してあり、歩きやすい。
これなら行けるかも。
途中で、数人のグループとすれ違っただけで、他には誰もいない。
どんどん登っていく。
私は熊よけの鈴をつけているが、山はシーンとして、上空ではカラスが鳴いている。
深い山道に入っていく。
まるで別世界だ
周りは木々だけで、周りを見ると、少し怖さを感じる。
1人なら絶対怖くてこんな深い山には入れない。
だけど、怖いけど、とても荘厳な感じでもある。
良い匂いがする。
もう、2.4キロは歩いただろうか?
頂上までは、あと300メートルだ。
突然目の前が開けた。
石ころと岩だけの道に出る。
ここは怖い。
慎重に登るが、いっぽ間違うと、石の坂を転がり落ちそうな斜面が続く。
その斜面の向こうには、下界が広がり、素晴らしい眺めだ。
旦那は私を置いて、どんどん先に進む。
石だけの道のカーブは、とても怖くて登れそうに無い。
あと200メートルで頂上だが、私はこれ以上は怖くて進めそうに無い。
旦那は、せっかくだからと、私にここで待ってるようにと言い、登って行った。
私は、石の道にたたずむが、真っ逆さまに下界に吸い込まれそうで、フラフラと眩暈がしそうで、立っていられず、しゃがみ込んだ。
私の他には誰もいない恐怖。
私は大声で旦那を呼ぶ。
すると、旦那の声がする。
もう無理だから降りるよ、と私は言う。
わかった、と旦那の声がする。
やっと旦那が戻ってきて、慎重に降りる。
石だらけの道は降りるのもやっとだ。
そこをすぎると、深い山道になる。
帰り道はなんだか楽しい。
でも、足が棒みたい。
やはり山は侮れない。
平地を歩くのとは訳が違う。
山登りは怖い。
危険と隣り合わせだ。
山を侮ってはならない。
だけど、山は素晴らしい。
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