昨年12月、黄檗山萬福寺の三堂が国宝に指定されました。
これはお祝いに駆けつけなければ!
もう2ヵ月経っているので「遅ればせながら」ですが、とある寒い日、萬福寺までお散歩の足を延ばしました。
萬福寺の投稿は何度かしていますが、折角なので改めてご紹介しますね。
(ご参考までに、境内案内はこちら)
萬福寺の最寄り駅は、JR/京阪電車 黄檗駅です。
ここから東の方に5分ほど歩くと、総門が見えてきます。すでに中国風!
ここ萬福寺は江戸初期に中国から渡来した隠元禅師が開いた黄檗宗総本山です。
その頃中国は明時代末期。そのため、萬福寺は明朝様式で建立されました。
大きな門は三門(重文)。三間三戸、重層の楼門造りです。
扁額の「萬福寺」という書は、隠元禅師が書かれたそうです。
紅白の「祝 国宝 萬福寺」という垂れ幕が控えめに掲げられていました。
というか、門が大きすぎる!?
門の横にあった船の模型は、隠元禅師が日本に渡ってこられた時の船だそうです。
目が付いてる??
拝観料をおさめ、真っ直ぐに進むと、国宝三棟のひとつ「天王殿」です。
お堂の前の鮮やかなトルコブルーの香炉(でいいのでしょうか)
香炉の足が足っぽくて、顔が付いてる!
遠慮なくということだったので、中に入るとふくよかなお腹の布袋さんがいらっしゃいました。
布袋さんは七福神の中で唯一の実在人物、中国浙江省の契此(かいし)というお坊さんがモデルと言われています。
かいし和尚はいつも大きな袋を担いで全国を旅していたことから、布袋と言われるようになったそうです。
とても徳の高いお坊さんだったので、中国の弥勒菩薩信仰と重なって、弥勒菩薩の化身とされています。
弥勒菩薩といえば、広隆寺の弥勒半跏思惟像を思い浮かべてしまうのですが、色々な姿に化身されているのでしょうか。
布袋さまがいらっしゃる背後には、韋駄天像。
何度拝見しても、カッコいい!
お堂の前には見慣れない派手な色の小さい袋が沢山ぶら下げられていました。
なんだろう・・・
前に説明があり、五色の袋の1つを選び、小さい紙にお願い事・名前を書いて中に入れ、ぶら下げよとのこと。
ちなみに、この五色は五行の色を表しており、こんな意味があるそうです。
青:木(健康長寿)
黄:土(交通安全・家内安全)
赤:火(恋愛成就・学業成就)
白:金(金運上昇・商売繁盛)
黒:水(厄除け・病気平癒)
今回は見ただけでしたが、次に行くときは赤以外納めてこようかしら。
国宝を赤い提灯でお祝いしていました。12月はこんな提灯が沢山かけられていたそうです。
お堂をつなぐ回廊です。こちらも重文。
左に曲がると、手前から鐘楼、伽藍堂、斎堂と続きます。 鐘楼前にかけられている木の板は巡照板。
伽藍堂です。
先に進んで向こう側から斎堂(食堂)を見たところ。
こちらは雲版。青銅製で、朝夕の食事と、朝課の際に打つものだそうです。
この木製の大きな魚は「開梆」(かいぱん)。
腹の部分を打って、日常の行事や儀式の刻限を知らせるそうです。
こちらはとても有名です。
これでまだ半分も進んでいません。
とても広い境内、のこり2棟の国宝はまた明日!
【撮影:2025/2中旬 宇治市】