今日から9月。
動きが遅い台風10号は、進路以外の場所で大雨を降らせて大きな被害が出ています。
被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。
京都に一番近づくのは1日から2日の夜中のようですので、こちらも予断を許しません。
お出かけ好きのなつみかんも、この週末は大人しく8月分の写真の整理やブログ書きをしています。
ということで、今日から1週間は8月後半に訪れたあちこちの様子をご紹介しますね。
先日比叡山を訪れた際、麓の坂本には比叡山ゆかりの神社仏閣が多くあるのに気づきました。
思い立ったが吉日。お盆Week最終の週末に、坂本にある日吉大社と西教寺を訪れました。
実際は西教寺、日吉大社の順に回ったのですが、今日はお朔日。
全国的にも有名な日吉大社の方からご紹介します。
まずは日吉大社の鳥居をご覧ください。
朱塗りの鳥居にカエデの緑が鮮やかですね。
この鳥居ですが、お気づきのように見慣れない形をしています。
明神鳥居の上に破風の乗ったこの鳥居は、山王鳥居と呼ばれ、密教と神道の合一を表しているそうです。
日吉大社は崇神天皇7年(なんと約2100年前の紀元前!)に創祀されたと古事記に書かれています。
平安遷都の際、この神社が都の鬼門(東北)にあることから魔よけ・災難消除の神社として、
また、延暦寺(天台)の護法神として、人々の崇敬を集めました(神仏習合ですね)。
全国に3800余ある「日吉(日枝)神社」や「山王社」という神社はすべて日吉大社を勧請したもの。
400,000平方m(東京ドーム8.5個分)ある広大な敷地には、西本宮、東本宮と5つの摂社があります。
※境内図はこちら→
普通は西、東の順に回るのですが、西教寺方向から来たので私は東に先に行ってしまいました。
ちょっとイレギュラーですが、行った順番にご覧くださいませ。
西教寺と日吉大社の間にある大宮川観光駐車場に車を止め、道標に従って日吉大社に向かいました。
途中、ナギの木など現れ、神社気分が高まります。
(有名なナギの木が境内に2本あったそうですが、そちらは見逃しました。なにしてんねん、私)
ほどなく東本宮の拝観受付があり、そちらで拝観料を払って中に入りました。
この辺りで雲行きが怪しくなってきたので、急いで回ります。
本殿は拝殿の奥にあり、国宝です。
日吉造という独特の形で造られており、ここしかないそうです。
ご祭神の大山咋神は比叡山の地主神だそうですが、格は西本宮の方が上なんだそうです。
境内にはほかに樹下社、大物忌社などがあります。
水が流れていました。この辺り、水が豊富で涼し気です。
境内側から楼門を見たところです。
続いて緑深い小径を歩いて、西本宮に向かいます。
山王鳥居から西本宮に続く参道に出ました。
そこにはこんな小屋があり・・・
山王さんのお使いと言われる神猿がこちらで飼われていました。
「魔がサル(去る)」、「マサル(勝る)」ということで信仰を集めています。
昔京都から大津まで比叡山で山越えしたとき、止めた車にどさどさサルが乗ってきました。
とても怖かったのですが、今はどうなんでしょう。
閉じ込められて神様になったサル、どんな気持ちなのでしょうね。
(ちなみに隣には神馬の小屋がありましたが、こちらは木像でした)
参道の横には川が流れており、西本宮の楼門手前ではこんな光景を見ることができます。
そしてこちらが楼門。
西本宮の方が人が多かったです。
こちらが西本宮の本殿です。
お参りは前の拝殿からするということで、本殿は横からしか見られませんでした。
こちらも日吉造で、16世紀に造られた国宝の建物です。
ご本尊の大己貴神は、天智天皇が大津京に遷都した時、大神神社から勧請されたそうです。
7世紀後半のことです。
本殿(奥)と拝殿(手前、重要文化財)です。
境内にあった大きなカツラのご神木。こちらは見逃しませんでした。
お天気も不安定なので、そろそろ帰ることにしました。
途中、摂社の宇佐宮と
白山宮です。
白山宮にはちょこっとお参りしましたが、建物が少し傷み、草も生えています。
そして向こうの方に山王鳥居が見えてきました。
見てのとおり、こちらには沢山のカエデ(多分イロハモミジ)の木があります。
秋になると綺麗に紅葉するので、日吉大社は紅葉の名所でもあります。
駐車場所へ戻る前に、有名な穴太衆積みの石垣を見ることにしました。
坂本には穴太衆と呼ばれる石工集団がおり、自然石を組み合わせた石積みで有名です。
現在もその積み方で積んだ石垣が残っており、名所になっています。
いい雰囲気です。
石垣はかなり苔むして、年季が感じられました。
手前の石垣も穴太積みですね。
奥の方は琵琶湖ですが、ちょうど晴れてきた青空と同化しています。
日吉大社はこれまで何度も前を車で通っているのに一度も行ったことのない神社でした。
こんなに立派な神社だということが分かったので、再訪して隅々まで参拝したいと思います。
明日は日吉大社の前に行った西教寺です。
【撮影:2024/8/17 京都市大津市 日吉大社】
>日吉神社... への返信
こんばんは~
おそらく摂社5社をすべてきっちり回ったら、そのくらいの移動になると思います。
今回は、東と西の両本宮しか行ってないので、1/3くらいだと思いますよ~
造りが独特で、ここにしかないそうです。
全然詳しくないので、言われてみたらちょっと違うかなというレベルですが・・・
私が見たサイトでは、胎蔵界・金剛界と、神道の合一と書かれていましたが、要するに密教ということよね、と簡単にまとめてしまいました。
全然中身は分かっていません。
同一場所というより、以前はお寺には必ずそこに神社があったので、延暦寺と日吉大社もそういう関係なのかなと思っていました。
(実際には日吉大社が率先して廃仏毀釈していたようですが・・・)
昔はともかく、今は延暦寺、日吉大社はそれぞれの敷地だと思います。
この2つに、三井寺など加えると、すごい歴史書ができそうです。
滋賀のいいところは、どこにいっても琵琶湖が見えるところですね!
私も大好きな光景です。
>こんにちは... への返信
こんばんは~
台風がくるくる詐欺みたいになったので、今日は近場をウォーキングしていました。
といっても、shuさんとは違って、完全平地、町中ですが(笑)
日吉大社の前の道は、湖西道路ができる前は国道161号線の抜け道として時々通りました。
なので、この変わった鳥居は見知っていたのですが、行ったのは初めてです。
廃仏毀釈の急先鋒だったとは全く知りませんでした。
延暦寺も散々でしたね・・・
>おはようございます^^... への返信
こんばんは~
この記事を書くときに色々調べていると、「創建は今から2100年前」という記述を見つけました。
ふ~ん、と最初思っただけでしたが、よく考えたら今年は2024年。
ということは紀元前!?
一番驚いたところです。
その後も、比叡山延暦寺といい関係にあったようですが、廃仏毀釈で強気に出たようですね。
争いといえば、近くの三井寺と延暦寺も争っていたようで、宗教上の対立というのは根が深いものがありそうです。
サルは他にも「見ざる、聞かざる、言わざる」というのもありますし、結構ごろあわせが活用されていますね。
実際のサルは結構悪さしいで困るのですが・・・
道草日記、最初から作るわけではなく、前月の習性と言う形で観察、記載しているので、それほど大変ではないのですよ。
咲く場所も大体分かっていますし・・・
褒められすぎると恥ずかしいです。
>おは... への返信
こんばんは~
チー子さんの故郷にも日吉神社(山王社?)があったのですね!
旅行に行ったときなど、このような名前の神社を見かけることがよくありますが、ここが総本社とは知りませんでした。
今日は日中過ごしやすい天気だったので、ついつい2万歩も歩いてしまいました・・・
東京ドーム8.5個分の敷地を移動されたのですか?
広さが半端ではありませんね。
日吉造という独特の形?
何だか平安時代の建物の様に見えますネ。
鳥居も初めて拝見する形状です。
無信心で宗教の事は全く判りませんが・・・、
密教と神道の合一を表していると言う事は、神様と仏様が同一の場所に祀られていると云う事なのでしょうか?
そうですか、ご祭神の大山咋神は比叡山の地主神。
と言う事は、
延暦寺は日吉大社の土地を拝借して建立されて居ると云う事なのでしょうか?
緑深い参道が如何にも涼しげに見えますネ。
何と、奥に琵琶湖が?
異常反応してしまいました。(笑)
確かにブログを書くには持って来いのお天気ですね。
さて、大津坂本に日吉大社があることすら知りませんでした。
大社と名前が付くだけあって、立派な神社ですね。
ウィキペディアには次のような記載がありました。
1868年(明治元年)、神仏分離令が出ると日吉社は率先して仏教色を一掃し、延暦寺から独立して社名を日吉大社とした。
分離令直後の4月1日、日吉大社の社司で、明治政府の神祇事務局事務掛を兼ねていた樹下茂国(じゅげしげくに)が、吉田神社(京都市)の神官らからなる「神威隊」を伴って、延暦寺に対して日吉大社の引き渡しを要求。拒否されると近在住民らとともに社殿に乱入し、仏像や経典などを破壊したり、焼き捨てたりした。これは廃仏毀釈が全国に広がる発端となった。
ずいぶん革命的な行動を取られたようです。
密教と言うと怪しく感じますが(怒られそう)
神道と合一とは、凄い神社!!
約2100年前の紀元前!)に創祀
そして、この歴史、凄すぎます!!
その時代からこのへんの地域は、日本の中心だったのでしょうか、
もし行けるならタイムマシンで行ってみたいものです。
「魔がサル(去る)」、「マサル(勝る)」
猿には、こういう意味もあるんですね。
勉強になりました
余談
昨日書かれていた道草日記、
10日からスタート、約20日で、あんなにたくさんの発見をして整理、こちらはこちらで、
なつみかんさん、凄すぎます(@_@)
「魔がサル(去る)」、「マサル(勝る)」
懐かしく拝見させてもらいました。