大阪公立大附属植物園の投稿を始めてから「花がない、花がない」と言い続けていましたが・・・
元々ここに来た一番の目的は、今ならサザンカが見られるかも・・・でした。
落葉樹の見本林の左手、結構な広さのサザンカ見本林があります。
でもタイミングが悪いのか、いつ行ってもほとんどのサザンカが茶色く萎れたあと。
それだったら!と普段行かない12月上旬に行ったというわけです。
その甲斐あって、けっこうな種類のサザンカを見ることができました!!
今日と明日、赤系と白系に分けてご紹介しますね。
最初は、乙女チックなピンクのサザンカ。
その名も乙女。
オトメツバキがもう咲き始めたという情報がある中、まだここではサザンカが咲いていました。
もう半分以上が茶色く枯れていましたが、盛りの花も沢山。
全体としては、イマイチという意見もあるかもしれませんが、私は結構テンション上がりました。
サザンカはツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹で、自生地は山口以西、九州や四国に限られます。
暖かい場所が好きな植物ですが、晩秋に花が咲き、園芸種は北の国までみられます。
ツバキよりは花が早いので、つい見逃してしまうというわけです。
続いて赤いサザンカ。
原種のサザンカは白い一重咲きですが、園芸種では八重や色の変化が楽しめます。
こちらは「赤鈴」。八重咲きで、蕊がありません。
お次のピンクは「昭和の栄」。
品種としては有名どころのようです。
やや遅咲きなので、傷んだ花が少なくとても綺麗。
いい被写体を探すのは結構難しいです。
あとで見ると蜘蛛の巣がかかってたり、枯れた花弁が張り付いていたり・・・
最初の乙女に比べたら、綺麗な方です。
お次は黄色い蕊が良く目立つピンクの品種。
こちらも有名どころの「桃園錦」です。
華やかですね~
色々調べていくと、紅葉が進む前に花が咲くそうで、今回も少し遅すぎたよう。
来年は11月下旬に行ってみましょう。
それにしても、桃園錦はいい雰囲気ですね~
気に入りました!
タイミングが遅かったせいもあり、花が終わった後の花弁が地面に沢山散り敷いていました。
そう、ツバキと違ってサザンカは花弁が離れて落ちるのが特徴。
ツバキのように花全体がコロンと落ちることはありません。
そうそう、もう一つのツバキとの違いが、実に毛があること。
ツバキの実はつるんとしています。
たまたまホオノキの葉が落ちていたので、ついつい遊んでしまいました。
次、行きます!
今度は白にピンクの絞りが入ったような可愛い品種です。
まだちゃんと開いてない~
こちらは鳴海潟という品種。一重咲きの大輪だそうですが、開いてくれないとね~
やっともう一輪綺麗な花を見つけたと思ったら、虫がくっついていました。
いずれにしても、結構女子好みの花ですね~
お次は、赤系最後です。
「飛竜」です。
名前も姿もいいですね~
最後は、遠くから見たサザンカ林と、綺麗なケヤキの逆さ箒。
明日は白いサザンカです!
【撮影:2023/12/9 大阪公立大附属植物園】
この季節、花はほとんどありませんが、実は結構目立ちます。
昨日に引き続き、大阪公立大附属植物園で見た真っ赤な実からお届けします。
なんたって、今日はクリスマスですからね~
ヒイラギ!と答えた方が多いのでは。
いえいえ、ヒイラギはモクセイ科ですが、クリスマスの飾りに使うのはモチノキ科。
どちらも葉の棘が鋭いので魔除けにするという共通点があります。
じゃあ、こちらはセイヨウヒイラギ!
いえいえ、セイヨウヒイラギの葉はこんな仮面のような形はしていません。
じゃあ答えはというと・・・
ご安心ください。ちゃんと樹名板がありました。
こちらは、シナヒイラギ(モチノキ科モチノキ属)。別名ヤバネヒイラギです。
なるほどどこかで見た記憶があると思ったら、京都府立植物園のモミジゾーンにもあった実ですね。
で、こちらの木は竹林の横にあったので、クリスマスというより和風、いえ中華風でしょうか。
つづいてこれでもか、の真っ赤な実。
いや~、沢山生りましたね~
お庭や公園などでも見かける木なので、ご存知の方が多いと思います。
実のお尻の黒い部分は花が落ちた跡ですが、星型になっています。
こちらはトキワサンザシ(バラ科タチバナモドキ属)です。
ピラカンサ3きょうだいの一つで、西アジア原産。
星型になっているのは、バラ科なので花が五弁だから・・・かな?
ちなみに、のこりの2つは、タチバナモドキとカザンデマリ。
実だけで区別するのは危険ですが、タチバナモドキは少しオレンジ色っぽく、カザンデマリは真っ赤っか。
本当は花山手毬ですが、火山みたいなのでカザンデマリと覚えています。
オレンジ色の実といえばこちら。
いや、これは普通にカキでしょ。
はい、カキノキ(カキノキ科カキノキ属)です。
野生の柿はヤマガキとも呼ばれるそうですが、こちらの柿は植えられた柿と違い小さくて実が鈴なり。
「山柿」という名前にふさわしい感じです。
近くで見かけた黒い実ですが・・・
隣に緑の花芽もついていますね。咲くのは春ですが。
こちらはヒサカキ(モッコク科ヒサカキ属)。
黒い実より、春のあのガス漏れのような臭いのする花の方が印象に残ります。
そして最後に2種類の実を載せますので、名前を当ててくださいね。
最初はこちら。
2つ目はこちらです。暗かったので撮った写真がすべてピンボケ。
いかがでしょうか~
答えは、上の方がムラサキシキブ、下の方がヤブムラサキ。
いずれもシソ科ムラサキシキブ属です。
どちらもよく似た紫色のミンツのような実がなりますが、違いがわかりますでしょうか。
ムラサキシキブは、次の写真のように花柄が少し長く、まばらに実が付く感じです。
毛はなく、全体がつるんとしています。
日本全国の野山で普通に見られ、宇治川沿いの林縁にも生えています。
一方、ヤブムラサキはちょっと毛深いのが特徴。
下の写真は以前京都府立植物園で撮った写真ですが、萼が毛だらけなのがよく分かります。
ヤブムラサキは少しだけ暖かいところが好きなようで、宮城県以西の本州、四国、九州に分布。
残念ながら青森や北海道ではみられないようです。
最後に、ムラサキシキブ、ヤブムラサキときたら忘れてはいけないのがこちら。
植物園では見られませんでしたが、庭園などで見られる「ムラサキシキブの仲間」はほとんどこちらです。
本州以西に分布しているとありますが、地元では野生のコムラサキは見かけません。
庭から逃げ出して野生化したコムラサキならあちこちで見ます。
クリスマス実特集第二弾、いかがでしたでしょうか。
最後に、園内あちこちで返り咲いていたこちらの花をどうぞ。
モチツツジ(ツツジ科ツツジ属)です。
毎年のように返り咲いて、冬枯れの山でピンク色が目立ちます。
静岡以西に普通に自生しており、地元でも春には山のあちこちがピンクになるほど沢山咲きます。
明日は、今回大阪公立大附属植物園に行った主目的である、あの花をドドーンと出していきますね!
【2023/12/9 大阪公立大附属植物園】
今日はクリスマスイブということで、赤い実クイズです~
え、無理やりすぎだろうって?
はい、無理やりです(笑)
最初はこちらの写真をご覧ください。
川・・・ですね。
こちらの川は大阪公立大付属植物園入り口の手前にある天野川(あまのがわ)です。
交野市には七夕伝説があり、織物神社やここ天野川など、織姫と牽牛ゆかりの地がいまも残っています。
近くには水辺プラザなどもあり楽しそうなので一度ゆっくり散策してみたいです。
それはそうとして、気になったのが川辺の赤い実と長く垂れさがるオレンジの蔓。
少しズームで見てみると・・・
ほほ~、赤い方はもうお分かりですよね。
植物園のユリノキ広場にも沢山実が見られました。
幹は少し白っぽく、黒い粒々が目立ちます。
答えはイイギリ(イイギリ科イイギリ属)。
名前の由来は、昔ご飯をこの葉で包んだこと。
その材や葉の形が桐に似ているということで、ご飯を包む桐に似た葉ということで、イイギリ・・だそうです。
気になる横のオレンジ色の粒々ですが、ズームでみるとこんな感じで沢山の実が付いています。
案外分かりにくいかもですが、水に近いあたりを頑張ってズームでみてみるとヒントが・・・
ここらでもうお分かりですよね。
オレンジの丸い実が弾けると、中から真っ赤な種が出てきます。
そう、こちらツルウメモドキ(ニシキギ科ツルウメモドキ属)なんです。
未だかつて、こんなに大きなツルウメモドキの大株を見たことがありません。
カメラを構えるなつみかんのことなんてどこ吹く風、コサギが歩きながら餌を探していました。
園内に入りました。
花はないけれど、あちこちで実が見られます。
特に目立ったこのツヤツヤの実。
葉は常緑で、今は少し艶がなくなりましたが、花の咲く春頃は新しい葉が展開して綺麗です。
赤と緑、まさに今日にふさわしいクリスマスカラーですね!
実が綺麗なのでもう一枚。
う~ん、やっぱり素敵!
こちらはハクサンボク(レンプクソウ科ガマズミ属)。
花はガマズミによく似た白い小さい花が沢山咲きます。
お次は名残の紅葉の前で見た赤い実です。
一目瞭然ですね。
こちらはナンテン(メギ科ナンテン属)。
難を転じるこの木は幸運を呼んでくれるのでしょうか。
お次はまだ全然赤く(オレンジに)なっていないこちらの実です。
まあ、赤い実ばかりなので、黄色い実も結構爽やかでいいですけどね。
こちらはクチナシ(アカネ科クチナシ属)
一重のクチナシのみ実がなり、実が開かない(開裂しない)ことから、「口なし」なんだそう。
なんだか今の時代、差別的と問題になりそうな名前ですね。
そうそう、果実が黄色い染料になるのは有名ですね。栗きんとんの色付けなどに使います。
本日最後の実です。
これぞクリスマスカラーですね。
実の形といい、一部の葉が紅葉することといい・・・
実はこちらの木、樹名板がなかったんです。
でもこの実の感じ、一部の葉が赤くなる特徴・・・
カナメモチ属に間違いありません。
前に宇治市植物公園見たストランウェエシア・ダビディアナにもよく似ています。
(ひょっとして、本当に同じかもしれません)
ということで、最後はクリスマスカラーのカナメモチ属で締めますね~
明日も少し実の続きがあるので、どうぞチャレンジしてくださいませ!
【撮影:2023/12/ 大阪公立大付属植物園】
2回にわたり、常緑広葉樹、落葉広葉樹をお届け。
となると、今度は針葉樹・・・今日は落葉する針葉樹をお届けします。
時間を巻き戻し、日本産樹木見本園の入り口方向に向けて歩いていると、向こうに見えてきたのは。
あのまっ黄っ黄の木は何でしょうか。
言わずと知れたあの木、先日京都御苑で沢山紹介したイチョウです。
周りで楽しそうに家族連れが遊んでいます。
そのイチョウですが、裸子植物で一属一種。一応針葉樹に近いそうです。
え~ほんま!?
Wikipediaの説明によると、「世界で最古の現生樹種の一つ」だそうで、まさに生きた化石。
それにしてはとても身近ですよね!
お次は、ユリノキ広場の向こうにみえるこの巨大な木々。
オレンジ色に紅葉したこちらの木はご存知メタセコイアです。
ここ大阪公立大附属植物園はメタセコイアに縁のある植物園。
今はこんなに大きく育ったメタセコイアがこの植物園を象徴する木です。
そして、妖精さんの出てきそうな森の光景。
それを象徴するのが・・・
こちらはラクウショウの気根。
なんともお粗末な写真で申し訳ありません。
言い訳すると、池の向こうに看板と小屋が出来てからムードががた落ち、撮る気もがた落ち。
もうほとんど落葉しており、落ちた葉っぱで池は赤さびた色に変わっていました。
とはいえ、ラクウショウも大阪公立大附属植物園の代表的な木の一つ。
行かれたらぜひ見に行ってくださいね。
こちらは、たまたま見つけたちょっと面白い光景。
最初ヤシの木に実が生っているのかと思いました。
ところがズームで見てみると・・・
どう見ても違う木が生えてる!
何の木かは謎ですが、不思議な光景でした。
後は、もうほとんど散ってしまったモミジ林の散紅葉を横目で見ながら・・・
名残の紅葉の横を通り
ちょっと着物の柄を意識して
はい、これで今年の紅葉はほんとのほんとのほんとにおしまいです。
お粗末さまでした~
明日は、お待ちかねの今年最後の実クイズです。
お楽しみに!
【撮影:2023/12/9 大阪公立大附属植物園】
ドングリ観察が楽しい常緑広葉樹林を抜けると、そこは明るい落葉広葉樹林です。
クヌギやケヤキなどお馴染みの樹木が並んでいます。
手前左の木はこちら。
逆光なのでちょっと葉が暗く見えていますが、緑から黄色に変わる途中の葉がまだ沢山残っています。
見上げてみました。
かなり幹が太く、大きな木です。
この木は、夏ごろには怖くて近づくことができません。
それどころか、「危険」の看板まで立っています。
でも今の時期はその危険も去り、ドングリ拾いや、
たっぷりの落葉に埋もれて遊ぶ・・・なんてことも楽しめます!
え、話を引き伸ばしすぎって?
こちらはクヌギ(ブナ科コナラ属)の木。
この木からは甘酸っぱい樹液がたっぷり出るので、いつも甲虫類はもちろんスズメバチが沢山訪れています。
で、「危険、スズメバチ注意!」の看板の登場となるわけ。
この付近で目に付いた木を順不同でご紹介しますね。
最初はこちら。
黒い種がむき出しになったようすが、まるで悪魔が笑っているよう。
一方、黄緑色の綺麗な冬芽も見えていますね。
こちらはトサミズキ(マンサク科トサミズキ属)なんです。
まえにまるでブドウの房みたいってご紹介したあの実がしばらく経つとこんなに乾燥。
割れて黒い種が見えています。
それにしても、冬芽の皮がとれてもう黄緑色の芽が見えています。
これから寒くなるのに、早すぎませんか?!
あ、向こうの方に赤い木が見えていますね。
もう盛りを過ぎて、散り始めているようですが・・・
こちらはドウダンツツジ(ツツジ科ドウダンツツジ属)。
今年は残念ながら目が痛くなるような赤い葉を見ませんでした。
続いては、\(^o^)/
カナクギノキの冬芽です。
お顔が葉芽、突き出した手が花芽です。
クスノキ科クロモジ属に多いタイプの冬芽ですが、いつ見てもこの万歳に元気をもらいます。
(左下は、万歳というより、「おお、神よ!」ですが・・・)
京都府立植物園の植物生態園の木はあまり元気がなく、万歳が見られなくなっています。
その点、ここには結構大きなカナクギノキが何本もあり、バンザイ冬芽だらけです。
こちらはシルエットになってしまっていますが・・・
これで分ったら鋭すぎ!
センダン(センダン科センダン属)の大木です。もうすっかり落葉して、実だけが残っている状態。
日本産樹木見本園の落葉樹林エリアの端っこまできて振り向くと・・・
昨日とは逆に、先の方が暗くなっていますよね。
常緑の森は暗いんです。
で、この辺り、葉は全く残っていませんでしたが、カツラの葉の甘~い残り香が・・・
思わず何度も深呼吸してしまいました。
落葉樹、まだまだありますがここで落葉樹林の見本林を離れて、おすすめコースを進みます。
そこでまず目につくのがこちらの大木。
また墨絵かい!とお叱りを受けそう。
しかもさっきのセンダンと比べると、あちこちに墨を落としたような大小の黒い点々多数。
行ったことのある方ならきっと「あ~、あれね」とお分かりだと思います。
以前は3本の大きな木が立っていて、確かその雄姿を投稿したことがあります。
ところが、台風で1本あえなく倒れてしまいました。
台風の猛威を伝えるため、あえて根っこをそのまま展示していたのですが・・・
そのうち、その木の上に草や木が生えてきて、徐々に元の姿が分からなくなってきました。
その様子も投稿しました。
で、何やねん!ですが、別の年に取った同じ場所の写真。
黒い点々の大きい方は実でした~
こちらユリノキ(モクレン科ユリノキ属)です。
北米原産ですが、大阪公立大附属植物園には沢山植栽され、ユリノキ広場という場所まであります。
実生の苗も園内に結構生えてきています。
さて、今日はこのくらいにして、残りの落葉広葉樹と、落葉針葉樹は明日まとめて投稿しますね!
【撮影:2023/12/9 大阪公立大附属植物園】