Junky Monologue

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吉本隆明が亡くなった。

2012年03月18日 00時28分39秒 | 日記
若かりし頃、彼の著作に大きな衝撃を受け、また生きて行くための指針のいくばくかを今尚彼からいただいている者として心からご冥福をお祈りしたい。
数年前から健康状態の悪化が伝えられる中、よく頑張っていらっしゃったなという思いとは裏腹に、実は少なからず感じる喪失感に我ながら驚いている。
確かに若い頃大きな影響を受けたとはいえ、自分の実人生においては彼の思想などとは無縁の生活を長く続けてきたにもかかわらず・・・。
今あらためて思えるのは彼の思想云々よりも、ただ普通に生きて生活して行く事自体にある「尊厳」あるいは「誇り」のようなものを彼から教えてもらったという事なのかもしれない。

彼の代表的三部作「言語にとって美とはなにか」「共同幻想論」「心的現象論序説」をこれを機会に読み直してみたいと思う。

「思想」という言葉がもはや死語となりつつあるかもしれない今の時代、彼を超える存在はこれから長い年月の間現れることはないだろうという予感とともに、
あえてあなたを「人類最後の思想家」と呼ばせていただいて良いでしょうか(笑)。

でも本当にあなたにふさわしい称号は「詩人」なんでしょうね。
「個」に徹した言葉によって最も高次な「普遍性」へと繋げて行ける、類いまれな言葉の創造者として
月並みではありあますが「孤高の詩人」という称号があなたにこそふさわしいのだろうと思います。
どうか安らかにお休みください。そしてありがとうございました。