その翌日には、朝に家の居間で、遠くスペインにいる「娘」の母からの依頼で、
娘の守護霊であるオチュン(愛や出産や黄金を司る)に動物の血を捧げる儀式があった。
若い司祭であるガビーの息子クーキ(二十二歳)も参加して、部屋の一角にゴザを敷き、
オルンミラという占いの盆でひと通りイファの占いをおこなってから、雄鶏3羽と雌鳥1羽を生け贄にした。
それらの血をオチュンのカスエラ(容器)に捧げ、その後、カスエラの上に大皿を乗せ、
パンとカカリヤと呼ばれる白い粉をまぶしたパンを添え、ろうそくを灯して1週間ほどオチュンに祈りを捧げるのである。
(つづく)