越川芳明のカフェ・ノマド Cafe Nomad, Yoshiaki Koshikawa

世界と日本のボーダー文化

The Border Culture of the World and Japan

映画評『瞳は静かに』(3)

2012年02月25日 | 映画

 この映画の主人公であるアンドレス少年(小学校の低学年ぐらい)は、

 その遊びが彼を含めて七人でやっていた「警察・泥棒ごっこ」だ、

 とあとで祖母オルガに告げる。

 子供たちは軍事政権下の軍や警察による連行や拷問を真似ていたのだ。

 子供たちは、レンガが積みあげられた廃墟のような空き地で遊んでいるが、

 その空き地の壁の向こうには、謎めいたガレージが存在する。

 少年は父から、そこに近づくな、と警告されている。

 つねに閉じられた鉄の扉の横には、

 もみあげを長くのばしたセバスチャンという男が見張りに立っている。

 ときたま、サングラスをした男たちを乗せた車が中から出てくる。

 反体制派の知識人やそれらしき人物を襲撃して、

 暴行を加えたり殺人をおこなったりしている極右の準軍事組織のアジトらしい。

(つづく) 


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