越川芳明のカフェ・ノマド Cafe Nomad, Yoshiaki Koshikawa

世界と日本のボーダー文化

The Border Culture of the World and Japan

映画評『瞳は静かに』(5)

2012年02月26日 | 映画

 本作でも、

 アンドレス少年の母が愛人としてつき合うアルフレドという青年が

 そうした反体制運動にかかわり、母に活動のビラや本を預け、

 母はそのことが露見するのを極端に恐れる。

 アンドレス少年は、そうした事情をのぞき見ている。

 また、真夜中に、何者かによって追跡されたらしい車が急ブレーキをかける音が聞こえたとき、

 少年は寝室の窓のブラインド越しに、何者かが銃をかざして若い男女を襲撃し、

 証拠の文書をさがす場面を目撃する。

(つづく) 


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映画評『瞳は静かに』(4)

2012年02月26日 | 映画

 映画の背景になっているのは、

 一九七六年にクーデターを起こして大統領になったビデラ大統領らによる軍事政権

 下のアルゼンチン。

 その恐怖政治は、

 八二年にアルゼンチンがマルビーナス戦争(フォークランド紛争)に敗れ、

 翌年暮れに民政に移管するまで続いた。

 反政府派の都市ゲリラは「死の部隊」とも呼ぶべき準軍事組織によって秘密裏に弾圧され、

 ほとんど壊滅したが、そのときの行方不明者が、

 一説には三万名にものぼると言われている。

(つづく) 


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