アルバート・R・ブロッコリ(Albert R. Broccoli, 1909年4月5日-1996年6月27日)はアメリカ合衆国出身の映画プロデューサー。007シリーズで成功した。ファンの間ではカビー・ブロッコリの愛称で知られる。
プロフィール
ハワード・ヒューズ監督の『ならず者』(1941年)の下働きから映画界に入る。第二次世界大戦勃発とアメリカの参戦によりアメリカ海軍に従軍するが、戦後ハリウッドに戻ってエージェントの仕事に就く。
1950年代の初めにイギリスに渡り、1962年にハリー・サルツマンとともにイオン・プロダクションを設立。イアン・フレミングの007シリーズの映画化権を所有していたサルツマンと、007の映画を共同製作するために設立したプロダクションだった。第一作『007 ドクター・ノオ』を成功させ、亡くなるまで007シリーズのプロデューサーを務めた(最後の作品となったのは『007 消されたライセンス』)。彼の死後は娘のバーバラ・ブロッコリと、継子のマイケル・G・ウィルソンがシリーズのプロデュースを引き継いでいる。
プロデュース作品
007シリーズ
007 ドクター・ノオ (1962)
007 ロシアより愛をこめて (1963)
007 ゴールドフィンガー (1964)
007 サンダーボール作戦 (1965)
007は二度死ぬ (1967)
女王陛下の007 (1969)
007 ダイヤモンドは永遠に (1971)
007 死ぬのは奴らだ (1973)
007 黄金銃を持つ男 (1974)
007 私を愛したスパイ (1977)
007 ムーンレイカー (1979)
007 ユア・アイズ・オンリー (1981)
007 オクトパシー (1983)
007 美しき獲物たち (1985)
007 リビング・デイライツ (1987)
007 消されたライセンス (1989)
その他の主な作品
赤いベレー (1953)
零下の地獄 (1954)
男の城 (1954)
黄金の賞品(1955)
生き残った二人(1955)
熱砂の舞(1956)
海の荒くれ (1957)
今は死ぬ時でない (1958)
キリマンジャロの決斗(1959)
腰抜けアフリカ博士 (1963)
チキ・チキ・バン・バン (1968)
「ブロッコリ」
なお、アルバート・R・ブロッコリの祖先は、食用野菜として世界的に広く食されている「ブロッコリ」の発明者である。
「アルバート・R・ブロッコリ」と「ハリー・サルツマン」の共同プロデュースは「007/黄金銃を持つ男」まで。
「アルバート・R・ブロッコリ」の単独プロデュースになっての初めての作品が「007/私を愛したスパイ」・・・僕が「007シリーズ」でいちばん好きな作品。
『007 私を愛したスパイ』(だぶるおーせぶん わたしをあいしたすぱい、The Spy Who Loved Me)はイアン・フレミングの長編小説007第9作を映画化した、1977年公開の、ルイス・ギルバート監督による007シリーズ第10作となるスパイ・アクション映画。オープニングのスキーアクション、ボンドカーであるロータス・エスプリによるカーチェイス、潜水艦の魚雷攻撃など、見所満載の作品。
概要
007 私を愛したスパイ
The Spy Who Loved Me
監督 ルイス・ギルバート
製作 アルバート・R・ブロッコリ
脚本 クリストファー・ウッド
リチャード・メイボーム
出演者 ロジャー・ムーア
バーバラ・バック
クルト・ユルゲンス
リチャード・キール
音楽 マーヴィン・ハムリッシュ
撮影 クロード・ルノワール
編集 ジョン・グレン
配給 ユナイテッド・アーティスツ
公開 1977年7月7日
1977年12月24日(日本公開)
上映時間 125分
言語 英語
制作費 $14,000,000
興行収入 $185,400,000(世界)
スタッフ
監督:ルイス・ギルバート
製作:アルバート・R・ブロッコリ
脚本:クリストファー・ウッド、リチャード・メイボーム
音楽:マーヴィン・ハムリッシュ
主題歌:「007 私を愛したスパイ のテーマ」(Nobody Does It Better)
作詞:キャロル・ベイヤー・セイガー
作曲:マーヴィン・ハムリッシュ
唄:カーリー・サイモン
撮影:クロード・ルノワール
編集:ジョン・グレン
プロダクション・デザイン:ケン・アダム
美術:ピーター・ラモント
特殊効果:ジョン・エヴァンス
視覚効果:デレク・メディングス
メインタイトル・デザイン:モーリス・ビンダー
キャスト
ジェームズ・ボンド:ロジャー・ムーア
アニヤ・アマソワ:バーバラ・バック(リンゴ・スターの妻)
カール・ストロンバーグ:クルト・ユルゲンス
ジョーズ:リチャード・キール
M:バーナード・リー
Q:デスモンド・リュウェリン
マネーペニー:ロイス・マクスウェル
ナオミ:キャロライン・マンロー
ゴゴール将軍(ソ連):ウォルター・ゴテル
カーター艦長(米海軍):シェーン・リマー
リパラス号艦長:シドニー・タフラー
グレイ国防相:ジョフリー・キーン
ハーグリーブズ海軍中将:ロバート・ブラウン
ストーリー
シリーズとしては「007は二度死ぬ」に続くスペクタクル巨編。核ミサイルを搭載した英潜水艦「レンジャー」とソ連潜水艦「ポチョムキン」が突如消息を絶った。調査を命ぜられたボンドはエジプト・カイロへ飛び、そこで同じ目的でソ連が派遣したKGBの女スパイと出会う。共同で任務に当たるが、事件の直前、オーストリアでボンドに差し向けられ、返り討ちにあったソ連の殺し屋が彼女の恋人だった。「この任務が終わったら、あなたを殺すわ」そう言われたボンドは彼女と共にアメリカ海軍の潜水艦に乗り込み、怪しいとにらんだストロンバーグ海運のタンカーに接近する。ストロンバーグは米ソを核攻撃し、世界を壊滅させ、海の世界を作ろうとしていた・・・
その他
フレミングの原作小説はエロティシズムを意識して綴られた小説であり、元来のものと比較すると異色のものであった。「ポルノだ」などと酷評されたほどである。
シリーズ10作目を記念して巨額の予算を組んだ作品となった。
監督のルイス・ギルバートはこの10年前にもシリーズ第5作『007は二度死ぬ』を手がけている。『二度死ぬ』は巨大な要塞の中で悪玉一味とボンド率いる攻略部隊が繰り広げる乱闘シーンが圧巻のシリーズ随一の荒唐無稽スペクタル巨編だったが、その期待を裏切ることなく、本作も巨大な要塞の中で悪玉一味とボンド率いる攻略部隊が繰り広げる乱闘シーンが圧巻の荒唐無稽スペクタル巨編となった。
カーリー・サイモンが歌う主題歌「Nobody Does It Better」は、ボンドシリーズの数ある名主題歌の中でも常に上位にランクされるヒット曲で、今日でも『ロスト・イン・トランスレーション』や『ブリジット・ジョーンズの日記 2』の中で使用されるなど、その人気は衰えを見せない。2004年、アメリカ映画協会は同曲を「過去100年に書かれたもっとも偉大な映画主題歌100曲」の第67位に選出している。「Nobody Does It Better」はアカデミー賞の主題歌賞にもノミネートされたが、ボンドシリーズの主題歌で同賞にノミネートされたのはこの曲と、『死ぬのは奴らだ』の「Live And Let Die」(ポール・マッカートニーとウイングス)、『ユア・アイズ・オンリー』の「For Your Eyes Only」(シーナ・イーストン)の三曲のみである。
この「Nobody Does It Better」は主題歌の曲名が映画のタイトル(The Spy Who Loved Me)と異なる初めてのもので[1]、同様の主題歌は他に『オクトパシー(Octopussy)』の「All Time High」と『カジノ・ロワイヤル(Casino Royale)』の「You Know My Name」があるのみである。
ボンドカーとしてロータス・エスプリが使用され、劇中で潜水艇に変形し、話題になった。特に日本では折からのスーパーカーブームに重なったため、一時は「ボンドカー=エスプリ」とも言わんばかりの人気となった。
セイコーの腕時計デジタル・アラーム・クロノグラフを使用。受信機能があり、Mからの指令がテープで打ち出される。この後もロジャー・ムーア主演のシリーズ作品で同社製品が用いられている。
当初、ジョーズ役にジャイアント馬場が考えられていた。
ロジャー・ムーアはギャグ好きなことで有名で、この作品でバーバラ・バックと砂漠を歩く場面の撮影中にあらかじめズボンのベルトを緩めておいて、本番中にズボンがズルズルと落ちてくるように仕組んだりと、現場は爆笑の連続だったという。
海中で潜水艇にチェンジする新ボンドカー「ロータス・エスプリ」が話題になったが、もちろん実際には潜水は不可能で、このシーン撮影のために10万ドルもの費用が投じられて4台の「別機能モデル」が用意された。1台目は通常の陸上走行用でサイドカーやヘリの追跡場面などで使用。2台目はエンジンの付いてない「中身空っぽ」モデルで防波堤から海に飛び込む場面で使用。撮影時はトラックで後ろから押した。3台目は潜水艇チェンジ場面用モデルで、タイヤが格納され水平舵や潜望鏡の出し入れが可能。4台目は実際にクルーが乗り込みスクリューが回転し水中潜行が可能なもの(この4台目に乗る時は運転席を満水状態にしてドライバーは潜水具を着用する)。
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<ストーリー>
英ソの原子力潜水艦が行方不明になるという怪事件が頻発。早速調査に向かったボンドは、ソ連から派遣された女スパイのアニヤと遭遇。やがて2人は、海運王ストロンバーグの世界制覇の野望が一連の事件を引き起こしたことを知る・・・。
<ポイント>
●日本語吹替付!
●DTS 5.1ch サラウンドにリミックス!
●デジタルリマスター加工によって当時の映像を色鮮やかに復元!
●特典ディスク付2枚組
<特典>
【Disc 1】
●ルイス・ギルバート監督/ケン・アダム(美術監督)/クリストファー・ウッド(共同脚本)/マイケル・G・ウィルソンによる音声解説
●ロジャー・ムーア卿による音声解説
【Disc 2】
●MI6:機密書類保管庫:(1)エジプトロケの舞台裏 (2)ロジャー・ムーアのインタビュー集 (3)ケン・アダムのロケ秘蔵映像 (4)007ステージ落成式 (5)ストーリーボード:アトランティスからの脱出 (6)クレジット
●秘密任務:(1)007の履歴書 (2)ボンド・ガール (3)味方 (4)敵 (5)アクション・マニュアル (6)Qの秘密兵器 (7)魅力的なロケ地
●任務遂行レポート:(1)メイキング・オブ・『私を愛したスパイ』 (2)ドキュメンタリー:"007の世界をデザインした男"
●007プロパガンダ: (1)オリジナル劇場予告編集(3種) (2)TVスポット集(6種) (3)ラジオ・スポット集(12種)
●イメージ・データベース:1977年『私を愛したスパイ』公開当時のフォト・ギャラリー
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シリーズ第10作目にして、3代目007、ロジャー・ムーアの代表作となった傑作。女にも敵にもあくまでソフトに接する彼の甘くスマートなスタイルは、本作で確立することになる。英国とソ連の原子力潜水艦が次々と奪われ、消息を絶つ。東西両陣営、イギリスからジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)、そしてソ連からアニア(バーバラ・バック、後のリンゴ・スター夫人)を送り込み、海運王ストロンバーグ(クルト・ユルゲンス)に接近していく。
これまでのシリーズのパロディが満載で、また水中を潜るロータス・エスプリなどメカも楽しい。また敵の手下の鋼鉄の歯を持つ大男“ジョーズ”(リチャード・キール)もファンの間で評判となった。監督はシリーズ2度目の登板となったルイス・ギルバート。マーヴィン・ハムリッシュの音楽の冴えや、カーリー・サイモンの唄う主題歌の美しさも特筆ものである。(的田也寸志)
久しぶりに「007/カジノロワイヤル」が面白かった。
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内容紹介
最初の任務は、自分の愛を殺すこと。
【物語】
暗殺の仕事を2度成功させたジェームズ・ボンドは"00(ダブルオー)"の地位に昇格し、最初の任務で、世界中のテロリストの資金源となっている"死の商人"ル・シッフルの存在を突き止める。高額掛金のポーカーで資金を稼ごうとするル・シッフルと勝負するため、モンテネグロに向かうボンドの前に、国家予算である掛金1,500万ドルの監視役として財務官から送り込まれた美貌の女性ヴェスパー・リンドが現れる…。
《監督》マーティン・キャンベル
《製作》マイケル・G・ウィルソン、バーバラ・ブロッコリ
《脚本》ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、ポール・ハギス
《出演》ダニエル・クレイグ、エヴァ・グリーン
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6代目ジェームズ・ボンドに抜擢されたダニエル・クレイグが初登場。ボンドが「007」の称号を与えられるスパイ誕生秘話が描かれ、シリーズの再スタートを予感させる21作目。キャスティング時に不安視されたクレイグのボンドは、予想以上に役にハマっており、これ以前の数作、やや時代とミスマッチだったボンドのイメージを覆すことに成功した。原作も、イアン・フレミングがボンドを初登場させた一編。ボンドがカジノのポーカー勝負で悪の商人から大金を巻き上げるという任務を軸に展開していく。
アクションも過去数作とは違って、生身の肉体技を重視。高さ数十メートルのフォークリフト上での追走や、ベネチアの運河に沈みゆく建物内での銃撃戦など、その迫力と緊迫感は満点だ。クレイグも肉体の動きを存分に駆使している。ヒロイン、ヴェスパーの役割もシリーズの中では異色。彼女とボンドに育まれた愛が、ボンドが007になった後の人生に深い影響を与えたことが描かれ、感慨深い。シリーズに興味がない、あるいは興味が失せてしまった人にとっても、1本のアクション娯楽作として存分に楽しめる仕上がりだ。(斉藤博昭)
初回特典
豪華ボーナス特典ディスク付
【映像・音声特典】
●ジェームズ・ボンド誕生までの物語
●『ボンド・ガールは永遠に』
●生身のジェームズ・ボンド
●ミュージック・ビデオ:クリス・コーネル『YOU KNOW MY NAME』
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