米軍、秘密裏に台湾軍を訓練
ロイター通信「バイデン大統領就任前から訓練支援」
米国防総省、肯定も否定もせず
中国の侵攻など、万一の事態に備え、米国の特殊戦司令部(特戦司)と海兵隊兵力の一部が秘密裏に台湾に滞在し、台湾軍を訓練する任務を遂行しているという報道が出た。
ウォールストリート・ジャーナルは8日付で、米特戦司要員と支援兵力など約20人が台湾地上軍兵力を訓練していると報じた。また、米海兵隊所属の一部兵力も、台湾海軍に小型ボート作戦など上陸作戦に備えた訓練を提供しているという。同紙は軍消息筋の話を引用し「米軍特戦司と海兵隊兵力は循環勤務方式で台湾軍を訓練している」と説明した。
ロイター通信も「米特戦司と海兵隊がどれほど長い間台湾軍を訓練してきたかは明らかになっていない」としたうえで、「ただ、ジョー・バイデン政権発足以前から米軍兵力が台湾に循環配置され、台湾軍の訓練を支援してきたという」と報道した。
米国防総省と台湾を管轄するインド太平洋司令部側は、関連報道について肯定も否定もしていない。米国防総省のジョン・サプル報道官は声明を出し「特定の作戦や訓練などについて言及するつもりはない」とし、「ただし、台湾に対する米国の支援と米国と台湾の軍事関係は、台湾を狙った中国の脅威と関連しているという点を強調したい」と述べた。
同報道官はさらに「中国が台湾近隣と東シナ海・南シナ海一帯で台湾とその他の同盟友邦国を脅かして圧迫するための軍事的措置を強化することで、地域情勢を不安定にし、誤った判断による危険を増加させている」とし、「中国側は台湾海峡両岸(中国-台湾)の対立を平和に解決するという約束を遵守すべきだ」と付け加えた。
これに先立ち、「台湾ニュース」など台湾メディアは昨年11月、「米海兵隊が台湾海軍の招待で4週間の日程で台湾海軍を訓練する予定」と報じた。また、今年5月には「定例の『漢光37』訓練直後、米特戦司兵力が台湾の特戦司要員を訓練する計画だ」と報道した。
今月に入り、中国軍は1日から4日連続で戦闘機や爆撃機など空軍機計149機を動員して台湾の防空識別圏(ADIZ)を侵犯するなど、武力示威を繰り広げ、台湾を狙った軍事的攻勢を強めている。ホワイトハウスのジェン・サキ報道官が4日、「台湾海峡一帯で平和と安定を維持するため、米国は台湾が十分な防御能力を維持できるよう支援を続ける」とし、「台湾を狙った軍事・外交・経済的圧迫と強圧の中止を中国側に求める」と述べたのもこのような背景からだ。
台湾の邱国正国防部長は今月6日、現地メディアとのインタビューで、「中国は2025年までに台湾に対する全面的な侵略を敢行する準備を完璧に整えるだろう」と懸念を示していた。 これと関連し、ベルギーを訪問中のジェイク・サリバン米大統領補佐官(安全保障担当)は「台湾を防御するための軍事行動を取る準備ができているか」というBBC側の質問に「そのような日が来ないようにするため、いま行動を取っている」と答えた。