「米国は集団虐殺の共犯」米国務省人権担当者がまた辞職
米国国務省の職員が、集団虐殺にあたるイスラエルの戦争遂行を支援する米国政府ではこれ以上働けないとして、辞表を提出した。
国務省の民主主義・人権・労働局中東担当のアネル・シェライン氏は、米国がガザ地区での戦争を行うイスラエルに兵器を提供し続ける状況に耐えられないとして、27日に辞職した。シェライン氏は、国務省の異議聴取のルートや会議を通じて懸念が伝わるよう試みたが、米国がイスラエルに兵器を送り続けるかぎり、このような努力は無意味だという結論を下したことを明らかにした。中東地域の民主主義と人権に関する仕事をしてきたシェライン氏は「もうこれ以上、私の仕事をすることはできない」として、「人権擁護のための努力は不可能だった」と述べた。
シェライン氏は、CNNのウェブサイトに掲載された「私はなぜ国務省を辞めるのか」と題した寄稿で、ガザ地区の保健省の集計で子ども1万3000人をはじめとする3万2000人を殺害したイスラエル軍の攻撃に、米国が供給した砲弾が使われたと指摘した。また、数十万人が餓死の危機に直面しているとして、「専門家が集団虐殺の犯罪にあたると主張するこのような犯罪は、米国の外交的・軍事的支援のもとで実行されている」と述べた。また、米国はイスラエルに強い影響力を発揮できないという主張もあるが、あるイスラエル軍の予備役少将が昨年11月、軍用機とミサイルはすべて米国から来ているとして「イスラエルは米国なしではこの戦争を遂行できない」と述べたと指摘した。ジョー・バイデン政権は民間人保護を武器移転の重要条件として挙げながらも、自らはそれを守らなかったとして、バイデン大統領も直接批判した。あわせて「米国が人権擁護者として持っていた信頼度は、この戦争開始後、すべて消えてしまった」と述べた。
また、先月ワシントンのイスラエル大使館前で戦争中止を要求して焼身自殺した米空軍兵士のアーロン・ブッシュネル氏の最後のSNSへの投稿が脳裏に焼きついていると語った。ブッシュネル氏はその投稿に「多くの人たちが『もし自分の国が集団虐殺を犯しているとしたら、私はどうしたらいいだろう』などと自問する。その答えは、あなたたちが今、そうしているということだ」と書いた。
2年の契約職として国務省で1年ほど働いたというシェライン氏は、当初は辞職しても再度国務省で仕事をする可能性は閉じたくなかったと述べた。しかし、辞職の計画を聞いた同僚が「自分たちの代わりに話してほしい」と要請し、公開の場で辞職の事実と理由を明らかにすることにしたと語った。シェライン氏は、多くの国務省の同僚が米国の行動に裏切られたという思いを抱いているとして、自身の辞職がガザ地区の戦争に対するバイデン政権の支持を撤回させる多くの努力の一つとしての役割を果たすことを望むと主張した。
昨年10月には、国務省で武器移転の業務を遂行していた職員が、「議論や論争もなしに武器を外国(イスラエル)に送るという、過去にはみられなかったことが起きている」と抗議して辞職した。その職員は、ワシントン・ポスト紙への寄稿を通じて、イスラエルに対する武器支援が原則に反して進められていると批判した。
訳M.S
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