突然変異が激しいコロナ変異株、
3大陸で登場…緊張高まる
「エリス」と呼ばれる新型コロナウイルス感染症の変異株が米国・中国などで拡散している中、既存のウイルスから多くの突然変異が生じたもう一つの変異が登場し、各国保健当局を緊張させている。
オミクロンウイルスの下位変異であるBA.2.86が最近、米国、英国、デンマーク、イスラエルで相次いで確認されたことを受け、保健専門家たちが注視している。ロイター通信などが19日(現地時間)報じた。この変異は、オミクロンウイルスの変異であるBA.2から分かれたもので、36カ所で突然変異が起きたことが確認された。
突然変異が多く発生すると、既存のワクチンがまともに作用しなくなる可能性もある。これに伴い世界保健機関(WHO)がこの変異を監視対象に含め、米国の疾病予防管理センター(CDC)もこの変異の追跡に乗り出した。
世界の遺伝体序列データベースである「GISAID」に登録された資料によれば、この下位変異は先月24日にデンマークで初めて確認され、続いて31日にはデンマークとイスラエルで再確認された。また、今月初めには米ミシガン州でも確認された。米ABC放送などが報じた。
CDCの広報官は、「科学者たちが新たに確認されたウイルスの系統を正確に理解するため研究作業を行っている」とし「今までに確保された証拠によると、この変異が既存の変異より公衆保健により大きなリスクを与えるかはまだ分からない」と述べた。
専門家らは、実験室で確認された事例は多くないとはいえ、3大陸で相次いで確認されたという点でこの変異の伝染力が強く、すでに多くの感染事例が存在する可能性もあるという懸念を述べたとABC放送が報じた。ボストン小児病院の感染症学者ジョン・ブラウンスタイン博士は「科学者たちが心配しているのは、3大陸で変異が発見されたうえに、この変異が多くの突然変異を起こした点にある」と指摘した。また「こうした事実は(ワクチン接種などを通じて確保した)免疫システムを回避する能力を備えているという意味かもしれないが、その水準がどの程度かはまだ分からない」と付け加えた。
ヒューストン・メソジスト病院のウェズリー・ロング博士(診断微生物学)は、この下位変異が新型コロナウイルス拡散初期に分かれた変異であり、現在広く使われているワクチンが対象にしている変異とは大きく異なると説明した。米スクリプス研究所のゲノム学専門家のエリック・トポル博士も、この下位変異の構造が他の変異とは根本的に違うとし、多くの国が新型コロナウイルス感染症検査を減らしていることを考慮すると、状況は良くないと指摘した。
BA.2.86下位変異は、オミクロンの別の下位変異であるEG.5(別名エリス)が急速に広がり、米国などで入院患者が増えている中で現れたもので、保健当局を特に緊張させている。
昨年11月に初めて確認されたEG.5は、今月8日までに米国など世界50カ国以上で確認された。この変異の拡散の影響で病院入院患者も再び増え始め、米国の場合は8月第1週の入院患者が1万320人と前週より14.3%増えたとCDCが明らかにした。これは入院患者数が最低を記録した6月より40%ほど増えた数値。新華社通信によると、中国の疾病予防統制局もこの変異が新型コロナウイルス感染症全体に占める割合が4月には0.6%に過ぎなかったが、最近は71.6%まで増えたと発表した。
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