北朝鮮の軍事パレードに「火星17型」10基以上登場…
「強対強」の対決方針を再確認
北朝鮮・平壌(ピョンヤン)の金日成(キム・イルソン)広場で8日夜に開かれた朝鮮人民軍創建75周年記念軍事パレードに、戦術ミサイル、長距離巡航ミサイルなどの戦術核運用部隊、大陸間弾道ミサイル(ICBM)部隊が登場した。同日、固体燃料を使用した新型ICBMのモデルが登場したという分析も出た。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記兼国務委員長の演説はなかったものの、北朝鮮は米国を狙ったICBM「火星17型」を10基以上公開したうえ、韓国を狙った戦術核運用部隊も初めて公開し、「強対強」の対決方針を再確認した。
9日付の北朝鮮メディアの報道によると、金正恩朝鮮労働党総書記兼国務委員長は軍事パレードに娘のキム・ジュエさん、夫人のリ・ソルジュ女史と共に出席した。
戦術ミサイル、長距離巡航ミサイルなど戦術核運用部隊とICBM部隊は軍事パレードの終盤に登場した。「朝鮮中央通信」は「戦術ミサイル縦隊と長距離巡航ミサイル縦隊が広場に進入」したと報道した。その前に新型戦車や自走砲、超大型放射砲なども姿を現した。軍事パレードの本行事は8日午後9時30分頃に始まり、午後10時30分に終わったという。
昨年10月、北朝鮮メディアの報道でその存在が公開された戦術核運用部隊が軍事パレードに参加したのは、今回が初めて。当時、同部隊が韓国の主要軍事施設や港、飛行場などを打撃する訓練を行ったと報道された。
北朝鮮メディアは戦術核運用部隊に続き、「我が国の最大の核攻撃能力を誇示し、大陸間弾道ミサイル縦隊が登場した」とし、「核には核で、真っ向対決には真っ向対決で!」と報じた。
北朝鮮メディアはICBMの種類については言及しなかったが、公開された写真には「火星17」型の姿もある。射程距離が1万5千キロメートル以上と知られている同ミサイルは、2020年10月10日の北朝鮮労働党創建75周年記念軍事パレードで初めて公開された。当時、11軸22輪の巨大な移動式ミサイル発射台(TEL)に載せられて登場した火星17型は長さが22~24メートルと推定され、世界で最も長い「怪物ICBM」という異名を持つ。同日の軍事パレードには火星17型が10基以上登場した。同ミサイルを量産して米国を狙い実戦配備したというメッセージとみられる。北朝鮮は昨年11月、火星17型の2段推進体の分離まで成功したが、国内専門家たちは大気圏再突入技術などが必要であるため、実戦配備はできなかったとみている。
火星17型に続き、移動式発射台に搭載された発射筒(キャニスター)に入った新しいICBM(推定)4基が登場した。北韓大学院大学のキム・ドンヨプ教授は「固体燃料エンジンを使って長距離(ICBM)級に開発するためのモデルとみられる」と述べた。北朝鮮は固体燃料エンジンを搭載したICBMの開発を戦略兵器部門の5大最優先課題の一つとして進めている。固体燃料ミサイルは液体燃料ミサイルに比べて発射準備時間が短く、韓米の監視と韓国のキルチェーンを避けて生き残る可能性が高い。
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