韓国最高裁「イ副会長、承継のため不正請託」…政経癒着を審判した
登録:2019-08-30 06:17 修正:2019-08-30 07:47
登録:2019-08-30 06:17 修正:2019-08-30 07:47
馬3頭・英才センターの支援金
控訴審を覆し、賄賂と認定
横領額87億ウォンに再び増え
破棄・差し戻し審で実刑の可能性も
「大統領の贈収賄罪は別々に判決すべき」
朴前大統領の量刑変わる可能も
控訴審を覆し、賄賂と認定
横領額87億ウォンに再び増え
破棄・差し戻し審で実刑の可能性も
「大統領の贈収賄罪は別々に判決すべき」
朴前大統領の量刑変わる可能も
左から朴槿恵前大統領、「陰の実力者」チェ・スンシル氏、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社
韓国最高裁判所(大法院)が「朴槿惠(パク・クネ)とチェ・スンシルによる国政壟断」事件を大韓民国最高政治権力の“私的な利益”と最高財閥の“欲望”が絡み合った政経癒着の結果だと判断した。最高裁は、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長が朴槿恵前大統領に経営権の承継への後押しを期待し、黙示的な請託とともに賄賂を渡したと判断した。認められた賄賂の供与額が大幅に増えため、イ副会長が破棄差し戻し審で実刑を言い渡される可能性が高くなった。朴前大統領の事件は、1・2審裁判所が公職選挙法違反部分を別に宣告しなかったという理由で、破棄された。別々に宣告すれば、刑量が変わる可能性もある。
最高裁全員合議体(裁判長キム・ミョンス最高裁長官)は29日午後2時、最高裁大法廷で、供賄と横領などの容疑で裁判にかけられたイ副会長の上告審で、懲役2年6カ月、執行猶予4年を言い渡した原審を破棄し、ソウル高裁で再び裁判を受けるように命じた。最高裁長官を含む13人の最高裁判事のうち9人が、多数意見でこのように宣告した。
最高裁はまず、経営権の承継作業は存在せず、朴前大統領とイ副会長の間に不正な請託がなかったという原審の判断が間違っていると指摘した。最高裁は「大統領の包括的権限に照らしてみると、韓国冬季スポーツ英才センターへの支援金(16億2800万ウォン)は、大統領の職務と対価関係がある。不正請託の対象と内容は具体的である必要がなく、公務員と第3者に提供される利益とわいろ性が認められる程度で十分だ」とし、第三者賄賂罪の成立を認めた。さらに「原審が不正請託の対象が明確でなければならないという根拠として、サムスングループの継承作業を認めず、朴前大統領が経営権の承継作業に対する認識がなかったと判断したのは、こうした法理に反する」と明らかにした。
最高裁はまた、チェ・スンシル氏の娘、チョン・ユラ氏に対する乗馬支援も、ほとんど賄賂と判断した。イ副会長の控訴審は2015年8月に結んだ委託契約によって、サムスンがチェ氏側に送った委託代金36億3484万ウォン(約3億2千万円)だけを賄賂と認めた。しかし、最高裁は、委託代金だけでなく、チョン・ユラ氏が乗った馬3頭購入費34億1797万ウォン(約3億円)も賄賂と見た。最高裁は「賄賂罪で言う“授受”は法律上の所有権まで取得しなければならないのではなく、実質的使用・処分権限を持つことになった場合も、賄賂と見なさなければならない。実質的な(馬の)使用・処分権限を(チェ氏に)移転するという意思の合致があったと見るべきだ」と判断した。
イ副会長の横領額(賄賂として渡した会社資金)が86億8081万ウォン(約7億6千万円)に増えたことで、イ副会長は特定経済犯罪加重処罰などに関する法律規定(横領額50億ウォン以上なら無期懲役、または5年以上の懲役)によって、破棄差し戻し審で実刑を受ける可能性が高くなった。
最高裁は、朴前大統領の裁判をソウル高等裁判所でやり直すよう命じた。公職選挙法は大統領が在任中の職務と関連し、特定犯罪加重処罰法上の賄賂罪などの罪を犯した場合、他の罪と分離して宣告することになっている。にもかかわらず、1・2審が賄賂罪と他の罪をともに審理して判決したため、これを分離して再び判断しなければならないという趣旨だ。
イ副会長の代理を務める法務法人太平洋は「大統領の要求に伴う金品支援に対し、贈賄罪を認めたことは多少残念だ」と述べた。パク・ヨンス特別検察官は「最高裁が経営権承継作業に対する不正な請託を認め、馬を賄賂として認めたのは幸いだ」と述べた。
チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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