どれだけ金を積み上げ、どれだけ栄華を極めようと、所詮おまえはこの浮世の王に過ぎない。死ぬのさ。
そう例えば、天空に君臨する太陽、目を灼く大陽、傲慢、不遜、尊大、巨大な大陽、あれはまるでお前そのものだ。
しかし、残念ながらその大陽も実はか細い、どこか深い森の、沼の、水面に浮かぶ気泡。はかない。
闇、無限、未曾有、無尽蔵の、あの闇にくらべれば、ちっぽけ、哀れな火の玉。
闇はその火を覆いつくし、包み、包む、包み込み、いつしか針の穴ほどの光にし、そしてそれも、結局は消す。
闇に帰す。
光は弱い、知も弱い、力も弱い。
それらは闇の未曾有、無限の海に浮かぶ笹舟。
闇に翻弄され、操られ、とどのつまり、呑み込まれる笹舟。
闇こそ暴君。
人は闇の狭間で、つかの間、漂う、その笹舟の乗員。か弱い。
説明不能に生まれ、時がたてば死んでいく。それだけ、解答などない。