漫画家の井上雄彦氏が、スラムダンクの成功秘話を訊かれて「登場人物一人一人に必ず欠点をつくること」と答えていた。
ドストエフスキーの登場人物は、みんな大きな致命的な欠陥を抱えている。しかし、その登場人物の欠点が、強烈な個性となり、物語の価値を高めている。
長島茂雄氏は婚約したときに、まとわりついてくるマスコミについて、「僕にもデモクラシーがあるんだ」(プライバシーというところ)と答えた。
このような間抜けなコメントは長島さんの価値を減ずるどころか愛される理由になっている。
容姿に関して、自分は欠点だと思っていたことが、相手からすればそこがいいということがよくある。
個人的な意見としても、完璧な容姿より少し欠点があるほうが好きだ。
個性と欠点は表裏の関係だ。
例えば、一重まぶたを整形して二重にする人がいるが、一重のほうが好きだという人は結構多い。私も一重のほうが好きだ。
一重まぶたはセクシーで少し色っぽい感じがする。整形する人は分かってないなあと思う。
私の友人もよく私の間抜けな部分をあげつらって笑っているが、どちらかというと私のその部分を好きなんだなあと感じる時がある。
すべての人に愛されることを狙うとどうしても標準でつまらなくなる。
ほとんどの人が嫌いなところであっても、そこが少数の者に強烈に支持されるとしたら、楽しい人生が送れると思う。
だから、欠点のひとつくらいがあったほうがいい。それがチャンスにもなる。