冬の山は美しい。しかし危険だ。雪山は怖い。
人間の本能の観点からすれば、危険な雪景色を不快に感じる方が理にかなっているのだが、危険な場所を美しく感じるとはどういうことなんだろうか。
雪山といえば雪女だが、雪女も美しくて危険だ。冷たい息を吹きかけてまたぎを殺してしまう。俗説であるが、冬に食べ物がない農家の嫁が、またぎに体を売ることでウサギや狸を分けてもらっていて、そのことは誰にも言ってはいけないとまたぎと約束する。しゃべったら呪いをかけると。その売春していた嫁が雪女とされたという説がある。真偽のほどは分からないが、雪女は自分のことをしゃべったら殺しにいくことを考えると、あながち外れていないような気もする・・・
本当はこのような話の方が恐ろしい。