法事があるから帰って来いと実家から連絡があった。
「用事があるから、法事にはいけないよ」と私。
「だったら、おれの葬式にも来るな」と言い放ってガチャンと電話を切るおやじ。
そこまで言われたら出席しないわけにはいかない。ということで夕方に新幹線に乗ってやって来た。
何年ぶりかに帰ってきた。少しずついろんなことが変わっている。なんだか浦島太郎になったような気分だ。親はそれなりに歳をとっているし、子供たちはいつの間にかに大きくなっている。時は好むと好まざるとに関わらず静かに流れている。はっと思ったときに、失ってしまったものの大きさに気づくのだ。そのようにして人は歳を取っていく。私ももちろん例外ではない。
とはいっても、やはり慣れ親しんだ土地に帰ってくれば、感傷的になる反面、いろんな意味で楽しい気分にもなる。
少しだけ近くを散歩した。暗かったから細かいことはよく分からなかったが、あまり変わっていないようだ。田舎は東京のようにそれほど大きく変化はしない。子供の時に、駆けずり回っていた風景とあまり変わっていないと思う。
夜道は街灯が少ない分だけ怖い。幽霊が出そうなくらい暗い。幽霊が出てこないかなぁと思いながら歩いていたけれど、結局、出てこなかった。そういう人のところには出てこないようだ。
なんか明日早く私を起こして枝豆もぎをさせるようなことを言っていたから、早く寝なきゃ。では。