やあよのブログ

コツコツと詩を書いています。楽しく読んでいただければうれしいです。

月を見上げて

2016-07-25 10:52:53 | 日記
あれは遥か遠い日々
10代の空は青くて広かった
未来は果てしなくて、青春は遠かった
理由もなく悲しくて、夜道をひとり歩いた
ひとりでいるのが好きだった

恋人を探していた
どんな人かも知らずに
めぐり逢う当てもなかった
自分がどんな人間なのかも知らずにいたから

春も夏も秋も冬も
風が吹いていた
晴れた日も雨の日も
わたしはひとりでいた

幸せなんて想像もしていなかった
夜風に吹かれては悲しい恋の話を思い出していた
夜空と月光、それから星座の光
真夜中に部屋を抜け出して歩いた
人気のない公園でひとり踊った

誰も知らない
誰もいない
なにも怖くない
わたしは生きていた
通りすがりのネコも
知らないふりをしていた

木々が夜風に揺らされてざわめく真夜中
深い悲しみの淵で
月を見上げて永遠を思い歌った
わたしの青春

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