前回、お金の機能のひとつとして、価値の表示機能(尺度機能)があることを説明しました。
具体的な価値を貨幣数値で表す機能で、例えば、アジ1尾200円、キャベツ1玉150円、カップヌードル1カップ160円等のように、モノやサービスの値段という形で使われます。
今回は、このお金の価値の表示機能、つまり、尺度としての機能は完全ではないとう話です。
長さの表示機能(尺度機能)として、「メートル」というものあります。
お金の表示機能(尺度機能)の「円(えん)(日本円です)」と比較して説明してみます。
例えば、ある方の身長が、150cmから160cmになったとします。
これは、身長が10cm伸びたのです。
「メートル」という長さの尺度が変化した(短くなった)のではありません。
一方、例えば、あるモノの価格が、150円から160円になったとします。
これは、価格が10円上がったのですが、モノの価値が上がった部分(変動した部分)とお金の価値が下がった部分(変動した部分)があると考えられます。
なぜなら、お金は、基準(尺度)であると同時に、モノとしての性質も持っており、物やサービス等と同様に、価値が変動するからです。
モノとしての性質とは、その価値について、評価を受けるということ、それゆえに、投資の対象となるということです。
問題は、このお金の価値の変動を正確に計測する単一の基準がないことだと思うのです。
会計においては、このお金の価値の変動をないものとして扱っているようです。
(インフレ会計というものもあるようですが、おそらく、完全ではないでしょう。)
しかし、お金の価値は変動しているのに、変動がないものとしても、会計は有用です。
元々、「会計は、完全なもの、絶対的なものではない」のです。
このこと、「会計は、完全なもの、絶対的なものではない」ということは、通常は、ほとんど考える必要はありません。
でも、会計を扱う上で、知っておくべき、大前提であると思います。
会計を扱う上で、不可欠な貨幣単位、つまり、「お金も、価値の表示機能(尺度機能)は、完全なものでない」ということを知っておくべき、大前提であると思います。
会計に関連した私の考えについて、書こうと思います。
できるだけ分かり易く書きたいのですが、難しくなるときもあるかもしれません。
会計は分からないけど興味がある方、会計を勉強したいと思っている方、会計に携わっている方、何かのご縁で私のブログを読んでいただいた皆様のお役に立てれば幸いです。
皆様に、神さま仏さまのご加護がありますように。
61歳のオッサン公認会計士でした。
では、また。
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