つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

「二世議員規制法案」、いいのでは?・・・

2008-05-13 | うんざりしてます
 ネットで「二世議員規制法案は提出されないものだろうか?」という意見を見つけて、これはおもしろいと思った。そういえば、今まで議員の世襲についての議論を聞いたことはない。そこでちょっと調べてみた。

 現在、自民党の半数、民主党の4分の1の議員が世襲だそうである。そして、戦後の総理大臣は29人だがそのうち11人が二世・三世の議員だとか。また、自民党の10派閥のうち、6派閥までがその長を二世議員が務めているそうだが、ここまでくれば見事なものである。いつのまにか、天皇家だけでなく国会議員まで血脈で選ばれる時代になってしまったのかと揶揄する人もいる。
 二世議員が生まれる背景には、有権者の安易な政治観と、地盤・看板・金庫番のいわゆる三バンに負うところが多いという。これらすべてを父親議員からそっくり受け継げば選挙戦は楽勝であるし支持者にとっても楽だろう。しかし、優秀な二世議員であればまだいい。が、親や祖父の七光りだけで周囲からもなぜか一目置かれ、そこで自分の実力を錯覚し、担ぎ上げられれば神輿にも乗る。その挙句、無様な退陣劇を繰り広げた御仁もいる。
  二世議員が悪いとはいわないが、はっきりいえることは二世議員たちは浮き世の辛苦を舐めたことがないということである。生まれながらにして将来が約束されており、政治家にならなくても親の七光りは十分光を放ち、一般社会でも苦労することなくエリートになれるのである。そんな恵まれた環境に育った二世議員たちに庶民のくらしが分かるはずがない。
  
 4月の終わり頃だったか、パリ在住の洋画家・赤木曠児郎さんが「西欧人に奇妙な政治家の世襲」と題したコラムを書いておられた。一部を抜粋してご紹介する。
 『―前略―。西欧人の目にとって、日本の政治家の奇妙さは、二世、三世議員の多いことだそうである。―後略―。
 私の子どもの頃の岡山では「井戸塀」といって、政治に凝ると家業をおろそかにして、人のためにばかり働いて、家屋敷は手放し、井戸と塀しか残らないから、どうか政治にだけは凝らないでまじめに働いてくださいと、政治は困った道楽だとみなされていたものだった。
 それが代々家業化するのは、よほど甘い、いい仕事に子どもの目にも映るからだろうか。利権化し、縄張り化すれば、新しい王様を自分の上に背負い込んでしまうようなものだから、その辺をよくフランス人は理解していて、右よりの勝利の次には左派の政権を登場させるし、投票する民衆も固定化しないようにうまくバランスを取っている。―中略―。役所も政府が変われば、決定ポストにはそれぞれの政権の意見の人物が任命され、入れ替わって経験重視の固定化しないようにもなっている。
 ―前略―。明治維新だって、若い人材が作り上げたのであって、殿様や、経験豊かな家老が、西欧に窓を開いて新しい日本をこしらえたのではなかったはずである』。

 今の政治は、与野党ともどもわいわい茶番を繰り返しているだけで、国民は蚊帳の外である。政局がどうなろうと任期中はきっちり歳費がもらえ、暮らしに困ることはない。いかにも庶民の意見を代弁しているかのようだが、結局は選挙を念頭に置いたパフォーマンスにしかみえないのである。
 もし政権交代があるなら、既得権益を抱え込んだ古狸や世襲議員にはご遠慮願って、平成維新とでもいうか、若い人材で政治の刷新をはかることはできないだろうか。NHKが行った世論調査によると、各党の支持率は自民党が25.6%、民主党が27.1%で、初めて自民党を上回った。しかし、「特に支持している政党はない」が33.9%、いかに政治に愛想を尽かしているかの表れではないだろうか。
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4 コメント

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二世議員 (北斗 裕二)
2008-05-14 01:56:49
こんばんは
二世議員は、余り苦労がないように思えます。
木村拓哉さんが出ているフジの新番組も、二世議員ですね。
ドラマのようにならなくてもいいと思いますが、まず景気を良くしてもらいたいものです。

昔から三ツ木清隆さんの大ファンで、最近オフィシャルサイトの方へ遊びに行っているんですよ(笑)
三ツ木さんのデビュー作「光速エスパー」が好きですね~
ブログに、自分のコメントが掲載されています。
三ツ木さんのサイトです→http://kiyotaka-mitsugi.net/
応援BBSで、「光速エスパー」のMIDIを流しています♪
よろしくお願いします!
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Unknown (オールドレディー)
2008-05-14 09:19:09
♠北斗裕二さま
木村拓哉のドラマの終わりのほうをちょっとだけ見ましたが、あんなのって現実にはありえませんよね。

三ツ木清隆って、ちょっと古いですね。
今は時々旅番組で見ますけど…。

また、のぞいてみましょうね
返信する
二世議員立候補規制法案 (ヒキノ)
2008-05-14 15:24:55
パロディーとしては面白いですね(実現は憲法違反になりムリですが)。今後どんどん取り上げてください。
おっしゃってること全部その通りです。やっぱり優秀な方でも遠慮してもらいたいですね(実際はほとんどが無能なかたがたですが)。徳川幕府でも有能な世襲は三代までです。あとは親戚筋です。幕政は有能な幕僚が選ばれてつとめました。明治維新は有能な下級武士が起こしましたがそれを見守った有能なブレーンもいました。維新が達成すると藩閥でダメになりましたがね。
世襲ではありませんが有能な弁護士でもいまや国交省の弁護士になってる方も、有能なお医者様で厚労省のお役人の意のままに動いたアル宗教政党の方もいます。
三権分立、政治家は政策を作るものです。行政のお飾りではないはずです。
どう変わるかわかりませんが今の政党から交替させるという行動が今の選挙民が取れるか。あまり期待できないかも知れないけれど今よりは悪くならないはずです。知事選なんかで自民以外の人がなった県で悪くはなってないはずです。それは選挙民の目が光ってるからです。
愚民になるか賢民になるか?国民の決めることです。
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Unknown (オールドレディー)
2008-05-14 18:29:25
♠ヒキノさま
関係ない話ですが、NHKドラマ「篤姫」が嫁ぐ将軍家定は愚鈍な人物に描かれています。徳川時代には割りと変な人がいたみたいですが、ブレーン次第ですね。

次の選挙は本当によく考えて投票しなければいけないとおもいますね。かといって野党が政権をとったとしても、今の民主党も一枚岩とはいえないようだし、小沢さんでまとまるのかなという気もします。

少なくとも選挙民は昔より大分賢くなっているのではないかと思いますが、いろいろしがらみがありますからね。

こうなったら早く選挙になったほうがいいのかも…。




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