ラジューとマネージャーの大声で呼ばれて走って来た使用人、それが彼の名前だろう。インド人にしては珍しくころころとした体型だ。マネージャーから説明を聞き鍵を受取ると、ぼくの前に立ち3階へ向かった。荷物はロビーに置いていく、気に入った部屋がなければ他を探さなければならない。そんなに大きいGHではないのだが真中は吹き抜けになっていた。吹き抜けを各階の廊下が四角に囲んで、手すり側に寄ると上下を見渡せる。各部屋のドアは立っている通路側への引き戸になっている、こういうGHには全く窓のない部屋が多い。窓があるのはバザールの通りに面した数部屋だけではないだろうか。最初に見せられた部屋は裏側に面して、入口を除いて壁だけの暗い部屋だった。旅の移動中であれば1~2泊くらいだから我慢出来る、が1週間以上の滞在となれば部屋を決めるのも慎重になる。気に入らないと彼は次の部屋へ案内する、吹き抜けの反対側へ回った部屋だ。ドアを開けると通りに面したガラス窓から明るい光が差し込んでいる、気に入った。受付に戻って宿帳に必要事項を記入しなければならない、ぼくはバッグからパスポートのコピーを取り出した。名前、パスポート番号と国籍を書きビザ番号記入欄は空白のままで50ルピーをマネージャーに握らせ
「パスポートは盗難にあって大使館で再交付の手続きをしている」と説明、これで良いか?と彼の反応を窺った。
「OK、ノープロブレム」
何か問題になるかと心配していたが案外すんなりと決まってしまった。ぼくの荷物を部屋まで運んでくれたラジューに2ルピーのチップを渡した。いつもだったら自分の荷物を使用人には運ばせないのだが、彼は外国人旅行者に対して慣れていないようにぼくには感じられた、何かと役に立ってくれるだろう。良い部屋だ、満足している。通りの反対側には高い建物はない。見晴らしが良いし部屋の中を見られる心配もない。下を見ると行き交うインド人達の生活が垣間見えた。
「パスポートは盗難にあって大使館で再交付の手続きをしている」と説明、これで良いか?と彼の反応を窺った。
「OK、ノープロブレム」
何か問題になるかと心配していたが案外すんなりと決まってしまった。ぼくの荷物を部屋まで運んでくれたラジューに2ルピーのチップを渡した。いつもだったら自分の荷物を使用人には運ばせないのだが、彼は外国人旅行者に対して慣れていないようにぼくには感じられた、何かと役に立ってくれるだろう。良い部屋だ、満足している。通りの反対側には高い建物はない。見晴らしが良いし部屋の中を見られる心配もない。下を見ると行き交うインド人達の生活が垣間見えた。