ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅      薬物後遺症と心の傷・・・31

2012-02-22 | 3章 デリー中央精神病院・入院記録
 ネパール行きについてマリーは何度もぼくに勧めた、がそれを理解することができなかった。毎日スタッフがぼくを破壊し続けているのに。
彼女はアルファーに預けてあるぼくのスタッフはもうないだろうと言った。
「ナイジェリア人のアルファーを信用するなんて、馬鹿げてるわ。彼はそのスタッフを売り捌いているのよ」
自分の馬鹿さ加減に嫌気がさしてきた。もうそんな事はどうでも良い、早くここを出てカトマンズへ行こう。粉はどうする、止めると淋しいだろうな、ドラッグのない生活をやっていけるのか。もうインドへ買出しには来られない、自然に吸えなくなるのか。カトマンズでは高いし自由に手に入るわけじゃない。100gは買っていくか、そんなことを考えると面倒臭さいな、生きることも面倒臭い。目は悪くなっている、歯はガタガタだし身体はボロボロだ。だから生きていたくないんだ、自然に死ねないのかね。
一度日本に帰ってみるか、最後の日本。
でも帰ってみても楽しい事など何にもない。
とにかくカトマンズに無事着いて落着いたら先の事はその時点で考えよう。今ある問題を一つ々解決していかなければならない。
 
コメント
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