(左・出店のババ 右・流れのババ)
流れのババが帰って来た。肩からさげた小さいずだ袋が膨らんでいる。ぼろ布を敷くとその上にずだ袋から出した緑のガンジャを広げている。乾燥させればいつでも吸えるし、持ち運びの荷物を小さく軽くすることが出来る。流れのババは山に行っていたのだ。出店のババを呼ぶとチラムの用意を始めた。3人が坐るとババはずだ袋のポケットから細い小指くらいのチャラスを取り出した。ぼくはそのチャラスを手に取って鼻に近づけ匂いを嗅いでみる。新鮮な樹脂の良い匂いだ。アッチャー・チャラス(良いチャラスだ)と流れのババに言うと、ババはうんうんと頷いた。何処の山かと聞いてもババは遠い山だとしか言わないだろう。これは良いチャラスだ。欲しいのだがぼくが頼んでもババは作ってはくれないだろう。流れのババは自分が吸う分は作るが商売で作るような人間ではない。流れのババは本当のサドゥだ。ばくは彼の魅力に惹かれる。
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