ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅          No5 Ward・・・・・4

2014-11-13 | 4章 デリー中央第一刑務所No5Ward

支払いが遅れている事については事情を知っている筈だし、今回ぼくが捕まった件について彼らに不都合があったという事はなさそうだが。ただぼくがあっちこっちで摘まみ食いするように他の売人からスタッフを買っている事が気に食わないのだ。彼が見てない所で買っているのにどうして彼の耳に入ってしまうのか不思議だ。ちょっと寒かったがテニスコートぐらいのグランドの端にある井戸で身体を洗った、3日振りだろう。明日の天気がどうなるか分からないし、太陽が出ていたから洗う気になった。風が吹き抜けるとブル々と震えがくるがスタッフをやっているので風邪を引くことはないだろう。
 大使館員の面会があった。少し多いが、と言いながらも5000ルピーをぼくに渡してくれた。それと十冊くらいの週刊誌を差し入れしてくれた。ヨーロッパ各国の大使館は最低でも月に一回、面会に来てくれる。お金や生活に必要な物を差し入れる為だ。大使館からみれば不良滞在者で出来るだけ早く刑を終え出て行ってもらいたいと考えているだろう。でも刑務所にいる限り不快だが面倒を見ざるを得ない。ぼくの場合はパールガンジ警察署に逮捕された翌日すぐに大使館員が面会に来てくれた、その翌日も。アシアナでの面会はなかったが第1刑務所に移送されてから面会があった。前回、12月はお金、冬用衣類、下着それに刺激的らしい女性の写真が切り抜かれた週刊誌を差し入れてくれた。
「1月にはまた来ます」
約束を守って今日、面会に来てくれた。デリー中央刑務所でぼくは一人ぼっちだ、でも日本に繋がるぼくの細い糸は切断されていなかった。生きる可能性の糸口の端緒は何処かに残されている。
 




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