スタッフを吸う量も回数も減らしている。これを減らし続けて数値を0にすればスタッフの禁断なしに中毒から抜け出せるとスタッフを知らない人は思うだろう。スタッフはそれほど甘い薬物ではない。一度体内に入れたスタッフはその量に見合う禁断という苦しみを代償として払わなければ抜け出せない。スタッフが足りなくなればカトマンズでも少量なら買うことが出来る、値段はデリーの倍だが。カトマンズはやはり寒い、布団に潜って寝るしか別にやることはない。明日、スンダルのアパートへ行って荷物の整理をする。ついでに保管してあるぼくのストーブを持ってこよう。
朝、広場へ行った。広場の手前の角に露店のチャイ屋がある。ぼくは毎朝そこで朝食をしていた。さっそくチビとキングが駆けてきてぼくにじゃれてくる。よく見るとキングは皮膚病に罹っている。以前は綺麗な白い毛だったのに毛が抜けてピンクの皮膚が露わになり傷ついていた。あまり汚くてぼくはキングを蹴飛ばした。キャン、キャンと泣きながらもぼくにじゃれついてくるキングを見た。可哀相なことをした。チャイ屋の木の長椅子に座ると2匹はぼくの後ろでごろんと横になった。そこは人の通り道で邪魔になるのだがネパール人は犬を蹴飛ばしたりしないで避けて通る。犬だって突然、蹴飛ばされたら怒って人間に咬みついてくるかもしれない。狂犬病に罹っている可能性がある。揚げパンを買った。まずキングに食べさせる。その後チビに食べさせようとするのだがキングを恐がって食べようとしない。ウーとキングは唸ってチビを威嚇している。ぼくがキングの頭をげんこつでぼかっと殴ると奴はキャン、キャンと悲鳴をあげた。その隙にチビはパンをくわえて物陰へ逃げて食べていた。
ふっと気がつくと夏蝉の鳴き声がない いつからだろう 季節は変わりつつある
初秋の使者つくつくぼう~しの声が向こうの山から聞こえてくる
また ひと夏が終わったと安堵する その鳴き声はまだしない
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