12月11日に、我孫子けやきプラザ内で開催された、NPO法人元気塾主催の味噌づくり講習会に行ってきました。
「簡単絶品!」と言っておきながら、僕が今回仕込んだ味噌はまだ全然熟成されていないので絶品かどうかわからないのですが、今我が家では去年父が同じ講習会で作った味噌をいただいていて、それがほんとに絶品なのです!もう市販には戻れない!?
さて、土鍋ご飯の時にも書きましたが、味噌の作り方はホントに調べれば調べるほど人それぞれです。なので細かいことは気にせずに、とにかく作ってみればできるようです。
実際講習会で配られたプリントにも3種類の作り方が載っていました(^_^;)
なので、それを元にして味噌の作り方をご紹介してみようと思います。
≪味噌づくりレシピ≫ *()内は今回使用した分量。2人で一年分くらいだそうです。
用意する食材:大豆(2kg)、米麹(2kg)、粗塩(800~1kg)
1.大豆の準備
味噌を仕込む前日に、大豆を3倍位の量の水で一昼夜浸しておきます。
2.大豆を煮る
大豆を、親指と小指で挟んでつぶれるくらいになるまで、弱火で6時間くらい煮ます。差し水をしながら、焦げ付かないようによくかき混ぜます。
3.大豆をつぶす
煮上がった大豆の煮汁を切って、すり鉢等でつぶします。
(今回は鍋の中で煮込みながらポテトマッシャーで同時につぶしていきました。ちなみに相沢家は豆の形がある程度残っている方が好きです。このつぶつぶ豆が美味いのです!)
4.麹の準備
豆を煮込んでいる時間を使って、米麹と粗塩をよくほぐしながら混ぜ合わせます。
5.仕込み
つぶした大豆と4の塩切り麹をよく混ぜ合わせます。水気が足りなそうだったら2の煮汁を加えます。
ビニール袋を敷いた容器に詰めて、表面にラップなどをかけて落としぶたと重しを載せます。
(表面に粗塩をまいておくとカビの防止になるようです。でも表面にカビが出ても品質には問題ありません。)
約半年で食べられるようになり、夏を越すとより熟成されていくそうです。
というわけで、後は熟成を待つだけ!簡単味噌づくりでした!
<米麹の作り方>
ところで材料に『米麹』というものがありますが、これが何なのかというと、蒸した米に麹菌を繁殖させたもので、味噌や醤油や日本酒など、日本の発酵食品づくりには欠かせないものなのでありますが、一般的に家庭で味噌やどぶろく等を手造りする場合は蔵元やスーパーで買ってくるのが普通で、肝心の米麹を自家製で、というのはあまり耳にしません。
というわけで、前から気になっていた米麹の作り方について調べてみたところ以下のサイトを見つけました。↓
「KOJI_ZA:米麹の作り方」http://www.koji-za.co.jp/recipe/komekoji.php
どうやら『種麹』というものがあれば、蒸した米に混ぜて保温するだけで麹菌が増殖して米麹(麦麹、豆麹も同じ)ができるようです。
では、今度はこの『種麹』とは何ぞや?と、調べてみると、ようは「麹菌のたくさんついた米麹」だそうです。
(ということは、牛乳にヨーグルトを入れておけば全部ヨーグルトになるように、米麹があれば米麹を増やせるということ?
それと、上のサイトの味噌造りの材料にも「米麹、もしくは種味噌」とあります。ひよっとして味噌があれば味噌を増やせるということ?今後要研究です!)
ところがこのサイトを見ても、種麹の購入の方法が書いてあるだけ。
ではその肝心要の種麹はどうやって作るのだろう?と調べてみたところ以下のサイトを発見しました!↓
「毎日完全発酵(して生きたい日記)」http://mblog.excite.co.jp/user/kanzenhakk/entry/detail/index.php?id=9231736&page=1&_s=a7405e53a5003b77e907a072f0f838f6
やっと麹の原点にたどりついたようです、どうやら麹菌は「稲穂」に棲みついているようなのです!
リンクしたサイトの記事にありますが、紹介されている千葉の酒蔵の寺田本家さんでは、種麹をつくるときに玄米を使っているようです、ヌカの部分が麹菌の栄養になるとのことです。なるほどー。
さらに、木灰を使うことで何と稲穂に棲む納豆菌などの他の菌たちは死滅するのに、麹菌だけが生き残り、ほぼ麹菌だけの純粋な培養ができるようになるとのことです。なんという自然界の摩訶不思議!
ちなみに現在日本ではこの「種麹」は歴史のある蔵元でさえ業者から買うのが普通で、自家製で、しかも天然菌を使っているところは皆無なのだそうです。
そのことは以前このブログで紹介した河名さんの「ほんとの野菜は緑が薄い」でも書かれていました。
普段口にしている味噌も日本酒も、菌はごく一部の業者によって化学的に作られたものを買って使っているなんて、なんだか信じられない話しですが、蔵元が菌を蔵から採らなくなったのは江戸時代からのようです。
化学的に麹菌のみを抽出してつくられたものと、いろんな菌が微量に含まれている天然の菌とでは、その味の奥深さが全く別物だそうで、さらに、天然菌を使った発酵食品はアレルギー体質の人にでも食べられるのだそうです。
天然菌が衰退した理由は、どうやら農業のスタイルの変化にあるようです。というのは肥料などを使わずに自然のままに育った作物でないと、天然菌が上手く付かないそうなのです。
ついでに別の本によると、味噌を作るときに使う麹は米麹よりも麦麹、麦麹よりも豆麹(つまり大豆だけの味噌)の方が栄養価が高く、味も良いのだそうです。
なんだか味噌づくりレシピだけさらっと書くつもりだったのが、すっかり麹菌の世界に深入りしてしまいました。
まだまだ勉強不足なので、これからも研究していってみようと思います。
そしてそのうち100%自家製の、本当の手前味噌が作れるようになったらいいなと思います。
日本の食文化はイネと発酵の文化でもあります。
またひとつご先祖さまの叡智と自然の恵みに触れることができた気がします。
完成が待ち遠しいです!