たすくの空中散歩

千葉県我孫子「石臼と麦」店主、相澤たすくの農作業や工作や
日々の一喜一憂を記録していきます。

地球46億年の農法~自然農法~

2010年11月30日 22時04分36秒 | 一喜一憂

相澤農園の野菜たちが、僕自身も、十年近く畑をやっている人達もびっくりさせるほどの成果を見せてくれるようになってきたところで(なっているうちに?)、僕の実践している栽培法『自然農法』について簡単に解説してみようと思います。

<自然農法は地球農法>

僕のやっている栽培法は『自然農法』と呼ばれているもので、「耕さず、肥料もやらず」自然のしくみ、自然の力をできるだけ人の手で邪魔をしないようにダイレクトに野菜に伝え、育てる方法です。

そのお手本は自然界の草木であり、庭に勝手になる柿の実です。
だから『自然農法』というのは便宜上の呼び方で、実際には農法ですらありません。

『自然農法』の提唱者は人間ですが、作ったのは地球です。
地球自然界には46億年の遥かなる月日をかけて築き上げられた、奇跡のような完璧なしくみがあります。だからそこにはもともと人間が手を加える余地などなく、人間の開発、提唱する他のどんな農法も、実はその不完全な真似ごとにしかすぎないのです。


<自然と不自然>

ところで「自然」とは何のことを言うのでしょうか?

人の手が少しでも加わるなら自然ではないのではないか?
いやいや、自然とは人間も含む宇宙全体そのもののことなのだから、どんな人為だって自然と言えるのではないか?

辞書で「自然」を調べてみると、実は言葉の定義としてはどちらも正解。
どうやら自然という言葉には「人間以外」を指す場合と、「人間を含む」場合の両方の意味が含まれているようです。

「自然を守ろう!」という団体同士が同じ場所ではち合わせると、どこまでが自然でどこからが不自然なのかの認識の違いで小競り合いになってしまうのはよく見かける光景ですが、僕はこの「自然」「不自然」というのを「人の手がどのくらい入るか」ということでなく「効率の良さ」で考えれば良い事に気が付きました。

たとえば平面をビー玉が転がる時、ビー玉はまっすぐ進みます。



凸面ではビー玉は曲がります。



凹面でも曲がります。



なぜ曲がるのかといえば、ビー玉が余分なエネルギーと時間を使わないようにしているからです。
この動きのこと。つまり一番エネルギー効率の良い状態のことを僕らは「自然」と呼んでいるようです。

逆に「不自然」とは、穴ぼこがあるのに真っ直ぐ進もうとしたり、平らな道をわざわざ遠回りして通りすぎたりする、効率の悪い状態のことなのです。

自然界の一番シンプルな決まりごと、それは「楽」をしようとすることです。

そうして宇宙じゅうのあらゆるものが「楽」をしようと動いている中で、なまじ「知恵」を得たばっかりに、効率の悪い「不自然」な生き方をして、それが「万物の霊長たる高等生物の証」と勘違いしてしまっているのがホモ・サピエンス(知恵のある人)=人類と呼ばれる人たちのようです。

<自然は楽園>

自然界は基本的には「余計なこと」をしません。後は人間がどこまで「余計なこと」をしないで、かつ自分たちに都合のよい収穫に結び付けられるか、ということを日々考えるのが『自然農法』です。

そして、野菜にとっても土にとっても、そして人間にとっても一番「楽」な状態を目指すのが『自然農法』です。

楽で楽しい自然農法の世界へようこそ!


次回:なぜ耕さずに野菜が育つのか?「不耕起栽培法」の解説へ続く…


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 初ハクサイ、初大根、カブに... | トップ | 不耕起栽培法 »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
宇宙=大自然=仏 (おせんべい)
2011-06-23 21:22:53
「峰の色、谿の響きも皆ながら、我釈迦牟尼の声と姿と」

道元禅師様のお歌です。
峰の色、谿の響き=大自然=宇宙大生命体=尽十方界真実=仏

仏法とは、こういう構造です。
自然農法は、仏法農法ともいえます。
(人も大生命である、仏の現われです)

ミクシーからダイさんのサイトから伺いました。
返信する
原点=最終形 (相沢)
2011-06-24 22:20:30
そうですね!もともと自然農法は、提唱者として有名な福岡正信さんが悟りを得て始められたものです。

そして、その福岡さんの農法の発想のきっかけとなったのがイエス・キリストの「鳥たちは種を撒かずとも…」の新約聖書の一節です。

イエスもブッダも、西洋も東洋も、人も宇宙も、すべては元ひとつの同じものであることにみんなが気づくようになるとよいですね。
返信する

コメントを投稿

一喜一憂」カテゴリの最新記事