今夜やるせない実例のお話を聞きました。
患者さんは42歳の女性。
腰痛で来たそうです。
治療して、3日後には良くなるだろうと帰して、3日経って来たら、余計に痛みが増してて、更に痛い所が移動していて辛いとのこと。
どうもおかしいと言う事で、頼りにしている私立の総合病院に紹介して精密検査を無理にお願いしたとのこと。
そうしたら、すぐにFAXが来て、何と肝臓に転移していて、何処が源発なのかも分からない状況の末期癌だったとのこと。
もって半年、若い患者さんだから進行が早ければ3~4ヶ月。
見た目上は普通の方で、毎年検診を受けていたとのこと。
辛い話です。
今回、直ぐに検査の対応して、無理行って総合病院で精密検査できたから分かったことで、普通の医者ではまずおかしいなー?で暫く時間を無為に過ごさせてしまっただろう、と言う悲惨な状況に陥っていたことでしょう。
それを考えれば今回の発見は、まだ良かったのかも知れませんが、神様の為されることは、時として本当に不条理です。
まだ42歳。
それまで、普通に生活していたのに、具合が悪くなって診たら、いきなり末期癌で余命半年未満。
どう表現したら良いのか分かりませんが、無情であり、無情を感じさせられます。
天命と言うのか、定めと言うのか。
人の生死は誰にも分からないんだ、と言う担当医の言葉は重いです。
我々の出来る事は、人の治る力を最大限活用して、その助力をしているだけなんだ。
大きな大きな力には全く敵わない、治る病気は治るように定められていて、治せない病気治らない病気は沢山あるんだ、と言う事だ、と言われました。
医療は祈り。
そのことを深く深く思わざるを得ません。