インプラントの勉強会やセミナー、学会の場で、演者が問い掛ける事の代表例が、前歯が1本だけなくなったら、先生自身はどういう治療を選択しますか?と言うものがあります。
そうすると、半数位の先生が、ブリッジで良いと言う方に挙手します。
そして、残りの半数のインプラントを選択した先生相手に、ブロック骨移植とかGBRするならどうしますか?と条件を厳しくすると、インプラントすると言う選択を変える先生がやはり半分近く出てしまうのです。
つまり、前歯の審美的なインプラント治療の実態を詳しく知っている先生方ほど、前歯の審美的治療ではインプラントを選択しなくなる、と言う結論が出てしまうのです。
なのに、ネットとか色々な媒体ではインプラント治療で綺麗な歯が甦る、と平気で出されています。
このような状態を患者さん達はどう思うのでしょうか?
自分自身が受けたくもない治療を患者さん達には平気で売り付ける。
そう言う姿勢があるインプラント医をどう感じるのでしょうか?
私自身は、如何ともし難い状況だな、と思ってしまいます。
でも、一つ言えるのは、自分が辛い思いをしたくないから、患者さんにも辛い思いをさせないように配慮してくれる先生が一人でも増えてくれるのは有り難いことだ、と思います。
インプラント治療を理想的に仕上げる事は追究し過ぎると肉体的にはきついし、治療期間も伸びるし、仕上がりまでそれはそれは大変に成るし、仕上がった後でも妥協的に成ってしまったりする、と言う本当の話。
こう言う正真正銘の話をこそ、私は明らかにして情報として提示すべきだろう、と思うです。
インプラント治療は1回取り掛かりだすと、途中で簡単に止めたり、変更したり出来ない治療です。
始めの第1歩から間違えず、正確精密に始めなければならない。
そして、患者さんが出来る最初の第1歩は、信頼の置ける担当医の選択なのです。
この事も明らかに書いて置きましょう。
インプラントの一番大きなリスクは歯科医、と言うのが定説なのです。
こう言う本当の事を決して忘れないで下さい。
それが現実です。