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舞台「ブロークバック・マウンテン」を観る

2023-07-14 | 2023年、ロンドンの旅

前回の続き

■2023年6月4日■

チェルシーからバスでトッテナムコートロードへにあるホテルへ。

↑バスの2階から見たシャフツベリー・アベニューの様子。

トッテナムコートロードに戻ると、駅前に新しい建物が出来ているのに気づきました。
一階に駅の待ち合いスペースのような空間があり、
その中に入ると、万華鏡の中に入り込んだような、煌びやかな映像に包まれます。
プロジェクション・マッピングで知られるアーティスト、
ルパート・ニューマンによるデジタル・アートワーク"The Spaces In-Between"だそうです。

駅前にこんな無料没入型アートスペースがあるなんて贅沢ですね!

ぼんやりと座って映像に浸っていたかったですが、
ホテルの部屋で早く荷解きしたい気持ちも強かったので、
ようやっとホテルでチェックインを済ませ、既に荷物が持ち込まれている客室へと向かいました。
早く部屋の準備をしてくれたけれど、結局普通のチェックインの時間になっちゃいました。

このブランドのホテルは東京でも泊まったことがあるのですが、東京の客室と比較すると小さめな印象。
外の眺めも外壁しか見えないので、共有スペースが豪華なだけにギャップにちょっとがっかり… 
でも洗面台は妙に広々しています。

この日はすぐそばの劇場で舞台を見る予定だったので、
3時間ほどの間に荷解きをし、一旦寝巻きに着替えてベッドに横になり、
疲れた体を少しの時間だけでも休めるように努めました。
(東京のホテルには高級なバスローブが置いてあったけれど、ロンドンにはないのでした…)

この日の夜に観る予定だった芝居はブロークバック・マウンテン
アン・リー監督による2005年公開の映画を舞台化した作品で、元はE・アニー・プルーの同名の短編小説が原作。
俳優でもあるアシュリー・ロビンソンが脚色しています。

上演されている@sohoplaceは以前の記事でも書いたように、2022年にオープンしたばかりの劇場。
キャパシティーは600席らしいですが、客席は1階のみで2階席は使ってないのか埋まっていないように見えました。

Brokeback Mountain | 2023 West End Trailer

1963年、季節労働者としてワイオミング州の山の中で19歳で出会った2人の青年の20年にわたる悲恋を描いた今作。
映画の方は2005年の公開当時に映画館で見ていますが、
その後はそれほど見直したりしていないはずなので、この物語に触れるの実に20年以上ぶり
正直細かい描写まではもう覚えていないけれど、
一度は見ているので、久しぶりのウエストエンドでの演劇鑑賞にはちょうどいいのではないか?と思っていました。

この芝居が発表された時に見なければ!と思ったのは、ルーカス・ヘッジズがエニス役で出演すると知ったからでした。
映画マンチェスター・バイ・ザ・シースリー・ビルボードでの彼の演技が印象に残っていたので、
公演時期に滞在することが決まっていた私は生で見なければ!とすぐさまチケットを予約。

しかし実際観てみると、ジャック役のマイク・ファイストの方に魅了されちゃいました。
スティーヴン・スピルバーグ監督の「ウエスト・サイド・ストーリー」で主人公トニーの親友リフ役を演じていたそうですが、
アンセル・エルゴートの未成年者性的暴行疑惑の件が引っかかって観ていなかったので、
こんなに印象的な俳優がいるとは知りませんでした。
後で彼目当てにWSS見ちゃうかも。

映画ではヒース・レジャーが演じたエニスは寡黙な雰囲気の青年ですが、
ルーカス・ヘッジズだとちょっと幼さが目立っていて、
エニスに比べてちょっと粗野で無邪気な雰囲気のジャックは
マイク・ファイストの若さでも違和感なく存在感が出ていました。

子犬のように戯れ合いながら、いつしか惹かれあう二人。
特に、初めてテントの中で体を重ねあうシーンは、
内側からの照明で重なり合う二人の影がテントの屋根に映し出されてシルエットだけなのに妙に官能的でした。

ただ、各媒体の劇評にも書かれていたのですが、
映画ではアップで捉えることの出来る2人の表情は舞台では把握しにくく、
私の席は円形舞台のちょうど花道のすぐ脇で、ベッドの置いてある位置から離れていたので、
劇場自体はそれほど広くないにも関わらず、かなり遠くに感じられました。

↑左はロビーに出ていたグッズの売店。右の記事はちょうど当日配られていたイブニング・スタンダードの記事

終盤に二人が衝突しあうシーンまでは、淡々と物語が過ぎていくので、
つまらないわけではないのですが、時差ぼけの私は睡魔との戦いになってしまった…
ただ、アルマ役のエミリー・フェアンが花道を通るたびに香水のいい香りがして、度々ハッと目が覚めました(苦笑)

舞台ではエディ・リーダーの歌によるカントリー風のバンド演奏が挿入されて、
二人の秘められた思いを演出するのですが、
これを「ジェイミー!」ダン・ギレスピー・セルズが作曲していることを後から知りました!
演出のジョナサン・バターレル演出も「ジェイミー!」の演出に関わってた人。
全然気づかなかったー! だって全然雰囲気違う舞台なんだもの。

 

ミュージカル「ジェイミー!」 Everybody's Talking About Jamie ウエストエンド版 - だから、ここに来た!

ロンドン留学中は節約のために観劇はなるべく控えめにしていたのですが、それでも2回見に行ってしまったミュージカルがあります。それが"Everybody'sTalkingAbou...

goo blog

 

正直「ジェイミー!」を観た時のような興奮は「ブロークバック・マウンテン」で感じることは出来なかったんですが、
カーテンコールでは満場のスタンディング・オベーション&拍手で盛況でした。
実はこの時、時差ボケだけでなく足首を痛めていてずっと気にしていたので、
ちょっと体調が万全ではなかったことも集中力を欠いていた原因かもしれない…。

↑開演前にフォイルズによって戯曲のチェック。でもここでは後で観劇予定の"The Motive and the Cue"だけ購入しました。

終演後、足を引き摺りながら、オックスフォードストリートのマクドナルドでダブルチーズバーガーのセットを買って、
留学時代を思い出しながら、ホテルの部屋で食しました。
日本と違ってロンドンのマックはセルフオーダー端末だし、相変わらず出来るまでの時間が速い!
ちょっと聞いた感じ侘しいけど、その分朝食は豪勢に食べる予定だったので…!

なかなか寝付けず、チャンネル4で施設から引き取られたわんちゃんのドキュメンタリーを見ながら就寝。

翌日に続く…


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