ずっと見たかった英国のテレビドラマシリーズ「キリング・イヴ」。
英国のジャーナリスト、ルーク・ジェニングスの小説"Codename Villanell"から始まる連作シリーズを原作とした、
BBC Americaでの放送向けに製作されたスパイ・スリラーものです。
(2作目以降は原作もタイトルに「キリング・イヴ」とついているみたい。)
Killing Eve | BBC Three Trailer
私は留学中に放送されていたフィービー・ウォーラー=ブリッジ主演・脚本のコメディ「フリーバッグ」に夢中になりまして、
同じくフィービーが製作・脚本を手がけている「キリング・イヴ」にも興味があったのですが、
S2だけ少し見て、S1は見られず(正確に言うと、当時精神的にスリラーを見る余裕がなくてコメディばかり見ていました)。
(「フリーバッグ」について以前語った記事は以下のリンクをどうぞ。)
フィービー曰く、「キリング・イヴ」は
「性的で、知的で、野心的な方法で、恋愛関係よりも複雑に、お互いに生きる気力を与えている」
暗殺者ヴィネラルと、それを追う極秘捜査チームのリーダー、イヴの物語。
S1は、2019年の英国アカデミーTV賞で15部門でノミネートされ、
最優秀ドラマシリーズ、主演女優、助演女優、音響賞を受賞しています。
(↑抱き合うフィービーとキャロリン役のフィオナ・ショウ。
2019年4月28日に行われたBAFTA授賞式レッドカーペットを遠くから見ていた私が撮った写真です!)
Killing Eve wins Best Drama Series BAFTA | The British Academy Television Awards 2019 - BBC
フィービーがヘッドライターなのはS1までらしいですけどね。
S3には私の好きなスティーヴ・ペンバートンもMI6役で出てくるみたいなので、
個人的にはS2以降の展開も見逃せないのです。
そしてこの3月にAXNミステリーでS1の再放送とS2の一挙放送があるようなので、
しっかり腰を据えて見てみようと思っています。
( S3はWOWOWで2020年7月7日から放送済。いずれAXNでも放送してくれるといいけど…)
以下はあらすじと感想覚え書き。日本語字幕で見られるのが助かるわー。
第一話
ウィーンでロシアの政治家が暗殺事件された。
目撃者(被害者の恋人)を保護する役目を与えられたMI5のイヴ・ポラストリは、
現場の状況から、容疑者は女性ではないかと上司に訴えるが、相手にされない。
飽くなき好奇心から、上司には秘密で目撃者と面会するイヴ。
しかし、目撃者の訛り?が強く、容疑者が女なのか、明確な証言が得られない。
面会時の発言を録音したイヴは、ポーランド人の夫と、彼のブリッジ仲間の少年ドムにそれを聞かせ、
彼女の発言の中に「貧乳のいかれ女」というスラングが紛れていることを知り、容疑者が女であるという確信を得る。
個人的に追いかけている連続暗殺事件との関連を疑うイヴだったが、
入院中の目撃者が警備員とともに殺されたことをきっかけに無断捜査が明るみになり、
上司のビルとともにMI5を解雇されてしまう。
落ち込むイヴ。そこに、彼女の家にMI6ロシア部門のキャロリンが現れる。
イヴの観察眼と推理力に目をつけたキャロリンは、
彼女を暗殺者追跡の極秘専門チームのリーダーとして誘うのだった。
【ネタバレあり感想】
暗殺者=ヴィネラルがウィーンで子供にアイスをぶちまけるシーンは笑っちゃいました。ひどいー!
店員が子供に笑いかける表情を真似するところは、
可愛いものに笑顔になってしまう感情を持ち合わせていないことを表していて怖いですね。
そして鮮やかな殺しっぷり。暗殺者はこうでなくちゃ。
自分でキャリーケースの中に入れるところもさすが。
第1・2話は、親と一緒に見ていたのですが、ヴィネラルって名前がわからなかったので、
彼女のことを話すときは「貧乳の女」って呼んでました。
今後も「キリング・イヴ」のこと自体を「貧乳の女のドラマ」と呼んでしまいそう(笑)
一方イヴの、いい加減そうで洞察力のあるところに一気に魅力を感じちゃいましたし、
彼女と同僚たちとのユーモアのあるやりとりに好感が持てましたね。
MI5の職場ってこんなに楽しそうなのかよ(笑)。羨ましいな。
最後だから上司のフランクに悪態吐きたがるイヴとビル(笑)。
夫にセックスするか訊いておいて、仕事の話をしてるうちに忘れちゃう、ってありそう(笑)
病院での正体を知らないままの初対面は興奮しましたねー。
ヴィネラルは特に目撃された緊張を現さず、イヴに髪を下ろすように勧めます。
それは単純に、ヴィネラルの好みの髪型で
(男女3人でベッドで朝を迎えていたので、彼女はバイセクシャルなんだろう)
第二話にも繋がっていましたが、誰かを思わせる髪型なのかも。
それにしてもドムが無事でよかった。
ちなみにキャロリン役のフィオナ・ショウは「フリーバッグ」にもクールなカウンセラー役で出演しています。
(2021年3月10日 (水) 視聴)
第2話
ブルガリアでの仕事を終えた暗殺者ヴィネラルがパリの自宅に帰宅すると、
担当者のコンスタンチンが待ち構えていた。
トスカーナでマフィアのボスの目をカンザシで突き刺したり、
ロンドンで暗殺の目撃者を自殺に見せかける命令だったにも関わらず、
警備員も含めて惨殺したりと、大胆な行動が目立つヴィネラルに、
MI6のイヴのチームが彼女を追い始めていることを忠告するコンスタンチン。
組織の査定を受けた後のヴィネラルに、しばらく仕事を休むよう命令するが、
納得のいかないヴィネラルは彼から次の任務の情報を盗み取る。
一方、チームにビルと元同僚のエレナを誘い、暗殺者の正体を追っていたイヴは、
目撃者と警備員が殺されたロンドンの病院のトイレで出会った、
看護師の(格好をした)女性の存在を思い出す。
【ネタバレあり感想】
ご近所のいい奴セバスチャン、絶対殺されるよーと思ってた(苦笑)。
でもまさか自分で香水を持って行って使っちゃうとは。セバスチャンよ。
香水を使った殺しも鮮やかでしたね。
ヴィネラルが給仕に扮して化粧室に標的を殺しに向かおうとして引き止められた時の、
「タンポン届けなきゃいけないんでー」っていうセリフが、女性脚本家ならではだなーと思ったり。
声をかけてきた男性は、女性のトイレ事情にまで詳しく突っ込めないですからね。
イヴのオフィスの場所は、近くにトラファルガー広場が見えるので、
007の「スペクター」でMが案内した隠れ家の近くっぽいのがちょっと嬉しい。
でもトイレが汚いのが嫌だなー。トイレットペーパーがすぐ盗まれるトイレ…。ロンドンっぽい。
妻をなくして意気消沈しているところにエレナに呼び出され、防犯カメラの件を白状させられたフランク。
「亡くなったの知ってた?」
「知ってた」
「(苦笑)」
とやりとりするイヴとビル。酷ぇ奴ら。
でも2人とも第1話以前にフランクから色々嫌がらせをされてたんじゃないかと思わせる。
そのあたりの話も面白そうだな(笑)。
ヴィネラルが着ていた印象的なピンクのドレスは、
モリー・ゴダードが2017年の春コレクションでデザインしたもので、
衣装デザイナーのフィービー・デ・ゲイがゴダードから直接購入し、少し手直しを入れたそうです。
ブーツはバレンシアガ。
「キリング・イヴ」といえばあのドレス、っていうくらい鮮烈に記憶に残る衣装でしたね。
テレビ業界だけでなく当時のファッションにも影響を与えたと言われています。
Killing Eve costumes to be put on display at special Bafta exhibit
Killing Eve assassin Villanelle famously wears pink Molly Goddard dres...
The Independent
(2021年3月10日 (水) 視聴)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます