啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「オオイヌノフグリ」

2012-02-02 11:13:35 | 山野草

ブルーの小さな花を見つけた。“ホトケノザと違う新しい花?”と喜んだのだが、良く見るとオオイヌノフグリだった。残念・・だが、ネタ不足の折、貴重な絵となる。

「オオイヌノフグリ」はゴマノハグサ科クワガタソウ属の越年草。花期は3-5月とされる。早春にコバルトブルーの小さな花を咲かす。群れて咲いていることが多く、道端や畑のくろなどあちこちに見られるが、見落としてしまう。今の時期だと鮮やかに映る。庚申山総合公園の南面のブルーベリー畑の脇、風の当たらない場所にひっそりと咲いていた。

この野草は瑠璃唐草、天人唐草、星の瞳など別名を持つと言う。“大イヌのフグリ(陰嚢)”と言う名前も奇妙。草丈は10センチから高くても20センチほどの小さな植物。それでもオオ(大)がつくのは、これより小さなイヌノフグリという近種があるから。小さく可愛い花なのに“タマタマ(陰嚢)”がつくのは「種の形がイヌの陰嚢に似ているから」という、訳の判らない理由。可愛くない名をつけられていることに同情した誰かが、可愛い別名をつけて呼んでいるのだろう。

もう一つ。属名のVeronicaは聖女ヴェロニカに由来していると解説している図鑑があった。十字架を背負い処刑の地に向かうキリストに、つけていたヴェールを差出した人。キリストがそのヴェールで汗と血をぬぐうと、布にキリストの顔が浮かび上がったという神話があると言う。そのヴェールが“瑠璃色だった”。
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