
昨年「黒檜山」の山頂として写真を掲載した。恥ずかしい話だが間違っており、山頂の標識は今日掲載した写真の場所が正解。小さな祠があり、立派な鳥居もあったので、勝手に山頂にしてしまっていた。“何か可笑しい”と思いながら、写真を撮って休んだあと、100メートル先に山頂があることに気付いた。北面道路分岐点近くの登山口から2回も登ったことがあったが、昔のことで山頂の様子は忘れていた。
「黒檜山」(1828M)は赤城山群の最高峰。2週間ほど山を歩いておらず、急に思い立っての赤城山行き。大沼湖畔・大洞登山口から駒ケ岳経由で山頂を目指した。いきなり広葉樹林帯の急登となる。ダブルステッキがようやく馴れてきたが、今日はシングル。小股でゆっくりと歩き始める。
鉄バシゴが設置されている場所も数箇所あるが危険を感じるような道ではなく、樹林越しに大沼や地蔵岳、栃木県境の山々など楽しみながら上がっていく。見晴らしが開ける尾根にでると、東側の下方に火山湖の小沼がキラキラと輝いている。
尾根を少し登ると「駒ケ岳」(1685M)の山頂。小さな山名を掻いたプレートが付いているだけ。登り始めて50分弱。写真を撮り、水を一口飲んで次を目指す。

赤城は“植物の豊富な山”だと思うが、今の時期は何も無い。朽ち欠けたキリンソウ数本、リンドウ数株を見ただけ。山頂付近の尾根筋は紅葉には早く味気ない。正面(西)にどっしりと構える黒檜山に登る前にかなり樹林帯を下らなければならない。20分ほど下って大ダルミ(鞍部)に着いた。
黒檜山への標識は距離でも時間でもなく“標高差200メートル”とあった。めずらしい。遠い海上の台風19号の影響か風が強い。足も慣れ快調に歩く。途中で振り返ると赤いシャツを着た人が猛スピードで駒ケ岳から降りてくるのが見える。“頂上に着くまで抜かれたくない”と思ってスピードを上げる。途端に苦しくなった。
頂上まで200Mの表示。汗をふきながら登るといきなり展望が開け、立派な鳥居と祠があり、「御黒檜大神」と書かれた大石がある。高さもピークに見える。ここが頂上と思った。写真を撮り、昼飯には早いと思いながら休んでいると赤シャツの女性が追いついてきた。頂上は「100Mほど先」だという。追い越されてしまった。

頂上には数人の先客。山歴自慢の話好きな人に捕まってしまった。足尾、奥日光、谷川岳方面など微かに見える展望を楽しんだ。