京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

どうも好きになれない着物(笑)

2016-06-30 15:39:58 | ここだけの話・・・
呉服屋としてあるまじき発言かも・・・と今日は思いながら書いてみます。

昨日、着た着物です。



かれこれ30年くらい前に仕立てた単衣の着物。
実はこの着物が、やっぱり好みではない・・のか、着たい!!と思えない着物

そもそも、東京に来てすぐに大手の着付教室に通ってた頃、
試験がちょうど単衣の時期になり、その試験を受けるためにどうしても単衣を着る必要があったため
とりあえず、在庫の中で「これなら私、もらってもいい?」なんて多少遠慮がちに
単衣に向きそうな生地と無難な柄、そしてまあまあこれなら着るかな・・・
なんて感じで選んで 急いで仕立ててもらった着物。


その頃、まだ単衣は持っていなくて、職業柄いつでも着物は作れるので
夏物や単衣はボチボチと・・・なんて考えてました。

ところが、必要な時は突然やってきて
まさか呉服屋の私が、着付け教室の販売会で先生に勧められて買うなんてこと・・考えられません
まだまだ見る目も素人だった時期に自分で「とりあえずの一枚」を選んだわけです。

気に入って作ったものは、やっぱり好き。
好みのものは、よく着ます。

そう、とりあえず・・・って、いけませんね。
呉服屋の私でも、こんなです



この着物を眺めながら、私はこう思ってます。

もしかしたら、一生やっぱり好きになれないかもしれない
でも、年齢とともに好みや似合うものは変わってくるのも確か。
もしかして、おばあちゃんになったときに、しっくりきて着るようになるかも・・・


今はしょっちゅう着ないかもしれないけれど、
たまに着て、風を通しながらしばらく?寝かせておこう


なんといっても、着物は形が一緒ですから・・・
着る気になれば、いつでも着られます。

最終的には、半巾帯にしたら、きっと使うし・・


もしかしたら、いえ、たぶん皆さんもそんな着物や帯、あるんじゃないかと思います。

今日は呉服屋として・・でなく、ただ普通の感覚の、私の独り言でした





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ちょっと言ってもいいかな?

2014-05-21 17:11:35 | ここだけの話・・・
ブログを書く時、マイナスイメージの事、ネガティブなこと、批判めいた事は
書きたくないと思っています。
なるべく、書かないようにもしています。
あまりいいたいことを書くと、気分を悪くされる方もあるでしょうし
それに対するご意見も頂戴して、逆に落ち込む事もありますし・・・

でも、やっぱり分かって欲しい事って、言わなければいけないな・・・とも思うのです。
というわけで、今日は、呉服屋のひとり言・・として、かるく聞き流していただけたらうれしいです。


今日は、ちょっと参考にしたい事があって、珍しくネットの販売のページを開きました。
どこからか迷い込んで、浴衣の販売のページに・・


最近のテレビコマーシャルでも気になっていたことなのですが・・・

そのページには、染色方法など、ちょっと着物を知らない方にとっては専門的かなと
思われる説明がされていました。

たとえば・・・
伝統工芸品のマーク
有松絞り、板締めの雪花絞り、
綿絽、注染・・・
江戸時代からの・・・
伊勢の型を使用
逸品・・など
どれも、こだわりを持った作り方や品質を説明し
商品イメージをアップした言葉が並んでいます。


今、店では伊勢型紙を使った江戸小紋をご覧頂いてます。
ご存知ない方、若い方に、「伊勢型紙」という言葉を知っていただくのは
とてもうれしい事です。

でも、CMや、このネットのページでの使われ方を見ていると
ただ商品価値を高めるために、言葉や説明を使っているだけのように私は感じてしまうのです。


その商品をこの目で見たわけではないので、言ってはいけないことですが
ネットでの仕立上がり3点セットの浴衣の値段・・・
ちゃんと注染したものかな・・・
職人が染めています・・・

昨年、浴衣の着付けにお客様が持ってこられたネットで購入されたという浴衣をみて
愕然としました。
値段を聞けば納得?かもしれませんが、浴衣の生地も帯も下駄も・・・
私から見れば、それは浴衣や下駄の形をしているだけのようで悲しくなりました。
もう、世の中の流れとしてこうなっていくのかな・・・と。

昔からの、浴衣の木綿の生地に、それこそ注染でちゃんと染めた浴衣を
見て欲しいな・・・




それから・・・ここからはちょっと笑えてくる話なのですが

このネット販売の「呉服屋」さん
「皆さんに着ていただけるベストサイズに仕立てているのは呉服屋だからできること
「届いたらすぐ着れる
「わずらわしいお仕立ての期間を短縮した」
と、仕立上がりの利点をうたっていました。

皆さんにあうベストサイズって?
ありえないし・・・
その「ベストサイズ」を着ようとするから、着付けが大変で、上手く着られない人続出なのに・・・
仕立期間はわずらわしいのか~~
(あ、それから!着れるじゃなく着られるでしょッ・・・)


「薄い生地は柔らかくてまるでガーゼのような肌触り、軽い着心地」とは
生地の薄さを逆手にとった?アピール??はたまたフォロー?


私、我ながらイヤだな~と思いながらも、
意地悪なオバサン化?し、思わずツッコミ入れたくなってしまいました


いやいや、ものは言いようって
勉強になるな~~(笑)

最後の極めつけ・・
「一生ものの浴衣」って???

浴衣って一生着るもの?
昔は、毎年新調したものといいます。
いくら高級浴衣といえども、浴衣は浴衣、一生はムリではないかしら・・・

毎年とは言いませんが、そこそこで新しいものを買って、浴衣はパリッとしたものを着たいな~~
くたびれた浴衣って、カッコ悪いよね
と、私は思います。


今日の雨のお天気のせいか、何か納得できないモヤモヤした気分になった
「呉服屋」の私でした。




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関西人と関東の商売

2010-08-10 14:22:43 | ここだけの話・・・
昨日、秋に考えているお店の事で、主人と下見に出かけていました。

目的のお店で下見をして話を聞くのですが、
どーも、そっけない・・・・
忙しいのは判るのだけど
声をかけなければ、ほったらかしだし・・・

もうちょっといろいろとアドバイスをしてもらえたら
考えていた予算をたとえオーバーしたとしても
お店のお勧め通りにするかも知れないのに・・・な。

そのあと、ちょっと目に付いたものがあって入ったお店も
そんな印象でした。
奥様は、愛想良く相手をしてくださったけれど
ご主人が職人気質な感じ・・
「ほかにも下見して考えてる人があるから。
今、買っとかないと、同じのはもうないよ!」と

思っていなかった物で、少し考えたかったので保留して帰ってきたのですが・・
私としては(主人も同じだったかもしれないけど)
ご主人のいい方に、ちょっと気持ちが萎えた。あまのじゃくかもしれないけれど

よーく考えて、欲しくなったとして、その時なかったら縁がなかったと考えようと。
冷静になれば、そこまでどうしても欲しいものではなかった気がする。


お店を出て、「関西人」の二人は思いました。

もうちょっと、「買ってください」という態度であれば‘気持ち‘で買っていたかも・・・ね

関西人、関東人・・・と決めつけてしまういい方はいけないけど。
偏見かもしれないけど・・。
売り買いも楽しくしたいのが関西人かも。

東京は「気に入ったら買っていきな」という商売が多いように感じる。
それでいいのかもしれない。
もともと、売り手と買い手の思いが合致して、売買が成立するのだから・・


でも
ダメなんですよね・・・関西人は

何かを買う時に、ちゃんと説明を聞きたかったり
アドバイスが欲しかったり
「売ってやってる」より「買ってください」を求めてしまう。
育った環境なのでしょうか・・・

関東で商売をさせてもらっていると、あまりにも「へこへこ」と
手をすり合わせるような関西っぽい?商売は嫌われるようにも感じます。

そこまでするのもどうかと思うけど、やっぱり愛想の一つも欲しい。
お店の人の熱意にほだされて、つい買ってしまう・・なんてことだってある。

私達は
「もしお気に召していただいて、お買い上げいただければとてもうれしいです」
と思います。この不景気にありがたいと思います。

「買っていただいてありがとうございます」と店側が思い
お客様からも「ありがとう」と言っていただたらうれしいです。

お客様の「ありがとう」は
いいものが買えて ありがとう
素敵なものを勧めてくれて ありがとう
お世話になって ありがとう

どんなありがとうでも、ありがたく
そう言っていただける商売がしたいと思います













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終日、お手伝いに・・・

2009-11-17 21:45:05 | ここだけの話・・・
今日は、お細工物の渡辺先生の催しのお手伝いのため
デパートの開店から最後の片付けまで行ってきました

先生の催し、大人気なうえ新聞にも紹介されたので
期間中、たくさんのお客様がお越しくださったようでした。

日頃は自分のお店でお客様と対しているだけで
不特定多数のお客様を接客するのも楽しく、また勉強になります。

今日もいろんなお客様が・・・
先生所有の古い打ち掛けの前で
素晴らしい!!と涙を流し、この前にずっと座っていたいと
おっしゃるご年配のお客様。

いくら見ていても飽きないわね・・・と会場をゆっくりご覧になっても
立ち去りがたいご様子のお客様。

こういうお客様は、たいてい70歳以上のご婦人です。
自分も同じような着物に囲まれて育ち、いいものをよくご存じなのです。

このような見る目をお持ちの方がいらっしゃるうちはいいとして
この後の世代に伝わっていっていないことを悲しく感じました。


そしてまた、お細工物をご覧いただくお客様を見ていて
なんだか人柄や育ち、生き方まで見えて来る気がしました

大切に、愛おしそうにご覧下さる方。
みなさん優しいお顔・・・

そうかと思えば、
「作品にお手を触れないようにお願いします」
と書かれているにも関わらず、
次から次へと、深い理由もなさそうに触りまくるお客様。
あまりにひどい方には
「この注意書きが目に入らぬか~~」といいたくなってのを
ぐっと我慢したりして・・
きっと作った人の気持ちや物の値打ちのわからない方なのでしょう。

いつもは体験できないこと・・・
いろいろお勉強させていただいた一日でした。



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ストレスがたまる時

2009-09-04 15:27:04 | ここだけの話・・・
呉服屋の愚痴です・・
ごめんなさい、楽しい話でなくて。

着物クリニックでお預かりしたお着物を
出来上がってお納めしたいのですが
なかなか取りに来て下さらないことが時々あります・・・

お預かりして出来上がりのご連絡をさせていただいてから
もう何か月もそのまま・・・


キリをつけたいので、再度お電話をさせていただいて
お待ちしているのですが、
明日、行きます
電話します
と、のらりくらりのお客様。
それも、ここのところ一人でなく複数のお客様が重なって・・・
さすがに・・

こういうお客様に限ってお得意様ではなくて
いくら商売とはいえ、さすがにその態度、頭にきます


ほとんどのお客様は、
キチンと取りに来て下さるのですが
たま~に、こういう方がいらっしゃるのです。

以前には、連絡すると居留守を使われ、
とうとう取りに来て下さらなかったお客様もありました。
当然、職人さんには当店が
お支払いをしているのに、かかった分の料金もいただけませんでした


昔から、お客様と呉服屋は信用でつながっている部分があります。
人間関係を大切に商いをさせていただきたいと
常々思っているのですが・・・

お客様というものに対し、お店側は言いたいことも言えず
弱い立場だな・・・と思うことがあります。
客であれば、何かトラブルがあれば消費者センターなどへ
行くという方法もあるのでしょうが
店の立場ではけっこう泣き寝入りすることもあります


いつもいいお得意様に囲まれているせいか
こういうことがあると、気分が落ち込んで
ストレス溜まります・・・

愚痴を書いて、ちょっと気晴らしさせていただきました・・・
ここだけの話・・・聞き流して下さい





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私って古い人間なのでしょうか・・・

2008-07-29 16:13:53 | ここだけの話・・・


このところ、少々気持ちが落ち込み気味・・・


ブログの話題は、楽しいことを・・と思っているのですが、
今日はすみません、グチになります。


いつも、とてもいいお客様達に囲まれているせいでしょうか・・
世間とはこんなもので、私が世間慣れしていないせいなのでしょうか・・・


最近は浴衣を見に、初めてのお客様や珍しいお客様が来店してくださいます。
ご覧になって「また来ます」は、断り文句であることくらいは心得ている
つもりですが、
中には断り文句でなく、かなり具体的に話が進み、
「明日お返事します」「いついつ、もう一度来ます」
「では、それまでお品はお取りしておきます」
と、ご連絡先までお伺いし、お約束することがあります。

そして、
お待ちしていてもお返事やご連絡がない・・・
ということがここのところ続きました

気が変わったのでしたらあっさりとお断りくださればいいのに・・


また、電話やメールでのお問い合わせに関しては
お顔が見えませんし、特にメールは文字だけのやり取りになりますので
お聞きくださる方にとっては好都合かもしれませんが
店側にとっては、見えない相手だけに失礼のないように心をこめて
お返事しているつもりです。
が、なかなかそれが伝わらないものだな・・・という事も感じます。

先日、こんなお話をお客様にしたところ
そのお客様があるお店にキャンセルの電話をいれたら
とっても感謝されたといいます。
そんなにみんないい加減なのかしら・・・???
と驚いてしまいました。

私は基本的に「人」が好きですし、まずお客様を「信用」するところから
入ってしまいます。
ですからそれが通用しないときに落ち込んでしまいます。


いくら店とお客様といえども、人と人とのつながりや礼儀、相手を思う気持ち
ってあるのではないかな・・・と思います。

お客様は神様です
そう思って商売させていただいてますが
お客だからなにをしても何をいっても許されるのかなと疑問に思うことも
何度も経験してきました

お金さえ払えば、お金さえ頂けば、そんな関係ってなんだか悲しいです。
特に単なる物販でなく呉服屋とは特殊な商売かもしれません。



先日、呉服屋の仲間との集まりの中で
「我々呉服屋って、お客様からお金を頂いて、
『では、どうぞよろしくお願いします』ってお帰りになるとき、
頭を下げていただく・・って、すごい商売だよね
という話が出ました。
そのとおりです。お納めするときにも「ありがとう」っておっしゃってくださるし・・


また、私の習い事の先生はこんなことをおっしゃいます。
ある人から
「着物を買うんだったら、問屋さんやインターネット、安いですよ~知ってるところを
紹介しますよ」
といわれたそうです。
先生は、
「着物ってそうやって買うものではないのよ
着物はね、呉服屋さんへ行って時間をたっぷりかけて、
お店の人と、あれやコレやお話しながらゆっくりと見せてもらうものよ」
と・・・。
このお話を聞いて、呉服屋としてほんとにありがたいと思います。


そうやって、人と関わりあいながら、信頼しながら商売できたらいいな・・と。

私は、まだまだ義理とか人情とか大事にするタイプかも・・
思春期の頃には、森田健作や中村雅俊の青春ドラマやスポ根物を見て育った
世代だからでしょうか・・・


店サイドからの私の思いにお付き合いいただいてありがとうございました。
モヤモヤを少し吐き出したので、また頑張れそうです・・



写真だけはさわやかに・・・
あまりの暑さに氷柱でも立てて涼しさを・・と




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