暑いですね・・・
先週の土曜日の朝、ゴミ出しに外に出て空を見上げたら
まるで梅雨明けの空じゃない・・・と思った私の予感がまさか当たるなんて(笑)
この暑さ、皆様どうぞご自愛くださいませ。
さて、こちら、洗い張りをして仕立て上がってきたお客様の長襦袢です。
長襦袢は何度か丸洗いをしても袖口と裾の汚れは
どうしても蓄積していく気がします。
裾汚れは、排気ガスなど複合的な汚れで取れにくく
それからハードに着ると生地も擦り切れたり薄くなったり。
私は、特に袖口が汚れてしまいます。
そこで、袖口の汚れは、洗い張りをして袖口と袖付けを逆にしてもらったりします。
丸洗いよりも、ほどいて洗い張りをする方が、やはり汚れはすっきりします。
こちらのお客様も、洗い張りしたのである程度はきれいになってはいるのですが
袖は同じように入れ替えて、仕立てをしました。
ご覧のように、こんなにキレイ。
こちらは裾の部分ですが
裾も汚れの部分はうまく裁ってしまったり入れ込んだりして
キレイになりました。
仕立て上がってきた長襦袢を確認すると、ほぼ新品、言わなければわからないくらいです。
仕立て替えはこうして手間がかかるお仕事なのですが
こうして仕上がったお品を見ると、
仕立屋さん、きれいにしてくださったありがとうございます・・と思います
長襦袢は、着物の下に着る物なので、とても汚れがひどいお品や
カビだらけだったりするお品も拝見させて頂く事があります。
あまりにしみ抜きや洗い張りに手間がかかると、「新調したほうが・・・」と
いう判断になることもあります。
今日、仕立て上がった長襦袢も、
お客様は「洗い張りして仕立て直すほどの物かしら・・」とお持ちになりました。
というのも、こちらの長襦袢は生地が絹ではなくシノンとかプロミックスと呼ばれる素材で
生産がとっくに終わっているお品なのです。
シノンという、この素材は牛乳から作られた繊維、絹と同じたんぱく質から
できているので、風合いや着心地もポリエステルなどに比べたら絹に近い・・
そして、お値段もお安く、自分で洗える
という事で、20年くらい前には店でも、着用機会の多いお客様に喜んでいただいてました。
私もシノンの楊柳のタイプを持っているのですが
やっぱり、普通の化繊よりずっと着た感じがいいのでお気に入りで愛用しています。
でも、随分長く着ているので、生地より糸が弱ってほつれたりするのを
チクチクお直ししたり・・それでも捨てられない
お客様としてはお値段もお安かったこともあり、じゃぶじゃぶ自分で洗濯もしていたのに
洗い張りしてお金をかける価値があるかしら・・・という気持ちもとってもわかります。
そこで、私も実は仕立て直してでも着続けたいと思いますと、お勧めしました。
もう作れなくて新しいものが手に入らないのですから
元のお値段は考えず、お金かけてもいいのでは?と。
このシノンの長襦袢、お値段、着心地、お手入れ簡単と総合的に考えて
私はとてもお気に入りで、しつこく探していた時期もありましたが、ホントに残念
最近、この業界は特にいろんなものが生産中止になったり廃盤になったりしています。
今まで、その問屋さんに行けばあるものと思っていて、慌てることも多いです。
例えば背伏せ(単衣の着物の背縫いにつけます)や裏衿、半衿も種類が少なくなったり
カラー足袋は受注になったり、
需要の少なくなったものは、生産も控えていく・・・
仕方ないのかもしれないけれど、寂しいです。
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