いろんな意味で暑い夏です。
今日も睡眠不足気味・・・
夕飯を食べながら、なでしこを応援し、水泳、体操、柔道と続き、
重量挙げの三宅選手の銀確定を聞きながら、やっと寝ました。
内村君の落下がショック・・
負けるな~~
がんばれ~~~
(個人的な感想でした・・・
)
オリンピック、書きかけるとキリがないので、ほどほどにして・・・
最近考える事・・・
昨日、お客様のお孫さんの浴衣の着付けをさせていただきました。
お孫さんが自分でネットで買われたという浴衣、帯や下駄や紐など一式で、
ナント4000円、送料込みだそうです。
自分のおこづかいで買われたのですから、仕方ありませんが
着物をご存知のおばあちゃまの表情は、なんとも・・・
私も立場的に、ほめる事もけなす事もできず複雑・・・・
最近こういうお品を見ることが多くなりました。
浴衣のセット、貸衣装・・・
それほどこだわりのないものだからでしょうか。
私たち呉服屋の目から見れば、品質は言うまでもないものですが、それにしてもその金額は
どういう価格なのだろうと疑問です。
いったい原価はいくらなのでしょう・・・
生地代、縫製、送料・・・不思議です。
最近はいろんなものが二極化の傾向にあることを実感し
こだわりのあるものにに対しては、驚くほど高いお値段がとおり
逆に信じられないほど安い値段のものもありますね
ネットのおかげで価格と流通が昔とずいぶん変わりました。
他の業界や商品に関しては詳しくないのでよく分かりませんが
この着物関係の事で言えば・・・
今回の浴衣のセット価格をはじめ、私の常識では考えられない価格のものがあって驚きます。
売りたいがための、価格もあるでしょうが、その安い価格が当たり前の価格に
なってしまうのがとても怖いです。
たとえば、分かりやすいところでは、仕立てや、しみ抜き、丸洗いなど
どうしてこんなに安いのだろう・・・と思う価格で出ていたりします。
もちろん、私自身、着物を着るものにとって、お手入れやお直しが安ければそんなに
うれしい事はありませんし、お客様のお預かり物が、もっとお安くできればいいのにな・・と
思うこともしばしばです。
でも、皆さん、着物を一枚縫ってみてください
逆に着物を一枚解いてみてください
私も、一時仕立てを習いに行って、自分の着物を何枚か仕立てた事があります。
忙しくて仕立てだけをしているわけではないせいもありますが
これだけ時間がかかり、たいへんな思いをするのであれば、仕立て屋さんにお願いしたほうが
よっぽど早くて、もちろんキレイ
解くのだって、たいへんです。
うっかり生地を切ってはいけませんし、古い着物は糸が渋っていて簡単に解けないのです。
それを思うと、職人さんにお払いする代金は決して高くないと思うのですが。
これは着物や帯を作る工程にかかわっている様々な職人さんにも言える事です。
物やサービスや技術に対して、ふさわしい価格というものがあるはずで
そのふさわしい価格の常識が分からなくなるのが怖いのです。
浴衣一式は4000円くらいで揃えられる・・・
スーパーやネットでしか見たことなければ、これからはそう思う人が増えるのかも・・
ちゃんと作られた本物を知らないことは、価格の相場が分からないことにつながります。
浴衣で言えば、私の目から見れば申し訳ないけれど安い「ユカタ」は
「綿の生地に、和柄をプリントして、着物の形になっている」ものです。
本来の浴衣の生地で、職人さんが染めて、仕立て屋さんが縫った「浴衣」ではないのです。
特に若い方たちが、良い物と比べる事もしないで「浴衣」がこういうものと思い
品質、価格の常識が変わっていくのかと思うと悲しくなります。
低価格の競争は、大事なものをなくしてしまうかもしれない
と思います。