京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

お客様の着物6~わきごのみの一揃えでお茶会へ・・

2015-12-02 16:50:36 | お客様の着物紹介
お客様にお求めいただいたお着物を紹介するシリーズの6回目です。


今日は、十数年前、15歳の高校生の時に初めてわきを訪れてくださった
お客様とお着物をご紹介します。

こちらのお嬢さん(いつまでたっても私にとってはお嬢さんなのですが、今は素敵な大人の女性です)が
初めてお越しくださったときのこと、はっきり覚えています。
藍の浴衣の反物をご覧いただいて、誂えていただきました。

それから、お母様も着物や布がお好きで、長~く当店ともお付き合いをいただいております。



お茶を習いはじめられて、この日は、先生と一緒にお茶会へお出かけでした。





初めてのお茶会のために選ばれたお着物はこちら・・・
当店が古くからお世話になっている友禅作家・腰原淳作さんの手描き附下。

「恋文」と名付けられたこちらの附下は、調べてみたら平成20年に
腰原さんの催しをしたときに誂えていただいたものでした。




地紋のある黒地に、恋文の一つ一つに違った柄の四季の花が描かれています。
最近の附下は、訪問着のように柄がつながっているものが多くなりましたが
こちらは、本来附下と言われていた柄の置き方で
附下らしい附下です。
小柄なお客様には脇の柄合わせの心配もなく、着姿を一見すると小紋のようにも見えるので
帯合わせ次第で着る場面もおおく 便利なお着物だと思います。





袋帯も、何本かお求めいただいていますが
今日は、こちら
私もお気に入りの袋帯です。
(とてもいい帯ですが、実は特別お買い得価格でお求めいただきましたよ





長襦袢は、優しいクリーム地にかわいい梅の柄。
こちらも、長襦袢の特集をしたときに・・・





コートは、洛風林の変わり織りの生地を、道中衿で、裏のつかない単衣に仕立ててます。
暖かい日だったので、単衣仕立てのこのコートをチョイス





小柄で華奢なお客様
お着物の柄の加減が、ちょうど良い感じです。
八掛は、少しくすんだ赤がついていて、ご本人は少し派手になったかな・・なんて
おっしゃってましたが、ぜ~んぜん、大丈夫。
お客様の雰囲気にはぴったりで、まだまだこのままお召しいただけると思います。





結婚される前までは、帯も飾り結びでしたが
今日は「もうお太鼓ね!」と二重太鼓を初めて結びました。
お茶会という場面に、あまり出しゃばらず、それでいて、素敵な一揃え・・ではないかと思います。



朝早かったので、着付と一緒に、髪のアップも私が担当させていただきました。
後ろが短いボブスタイルとお聞きしていて、当日見てみると
襟足が5センチあるかないか・・・
襟足だけゴムでまとめて、あとは上からかぶせた「大人スタイルのアップ」にしました。




襟足が短くても、こんな感じにまとめられますので、参考までに・・・





今日の装い、オールわきごのみ

お草履も、ずいぶん前に、足が小さくてSサイズの台を別注、刺繍の鼻緒でお誂え頂いてたものに
最近、少しおとなしい鼻緒に交換させていただいたものです。


さて、今日のまとめですが・・・

こちらのお客様の一揃え・・・一度に誂えていただいたものではありません。
全部、別々に、その時にお目に留まったものを、少しづつ購入していただいていたものの中で
コーディネートした結果です。

高価な着物や帯、なかなか一遍に揃えるとなるとたいへんです。
こちらのお客様のように、良いものを、順番に、いい出会いがあったときに
揃えていかれるのもいいと思います。


少しずつ増えていく楽しみもあります・・・
呉服屋と上手にお付き合いいただきながら・・


着物の揃え方の参考になればと・・・思います。



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