ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

自由民主党への疑問 - 20 ( 藤岡洋介氏の論文 - 2 )

2025-02-04 19:53:12 | 徒然の記

  J-STAGE ( ジェイ・ステージ )  が掲載した藤岡氏の論文から、「海底資源掘削の歴史」を紹介しました。

 今回は「我が国の開発の現状」と国連海洋法条約関係」という2つのタイトルの紹介です。短い文章なので、今回で論文が終わります。

〈 我が国の深海底鉱物資源探査 ・開発の現状 〉

  (1)  DORD ( 深海底鉱物資源開発(株) )の探査活動

   ・DORDは、金属鉱業事業団所有の探査専用船第2白嶺丸をチャーターし、年間250日の調査航海を5航 海に分けて実施。

  ・その内の1航海は、自主探鉱で自鉱区におけるマンガン団塊の調査

  ・他の4 航海は、DORDが金属鉱業事業団から受託した深海底鉱物資源調査で、マ ンガン団塊、コバルトリッチクラスト、海底熱水鉱床調査及びSOPAC諸源開発協力基礎調査等

  (2) マンガン団塊の開発研究

       ・工業技術院の大型プロジェクトとして「マンガン団 塊採鉱システムの研究開発」 が、技術研究組合海底鉱物資源開発システム研究所 ( 旧 称:技術研究組合マンガン団塊システム研究所 ) により実施

      ・金属鉱業事業団により、「深海底鉱物有用金属の回収技術開発」及び「マンガン団塊採鉱環境影響調査」実施

〈 国連海洋法条約関係 〉

  ・国連海洋法準備委員会は第12会期の春会合を終了したが、先進国とG77の間には依然として根本的な意見の食違いが解消されていないという問題が残 されてい る。

  ・G77(ジーセブンティセブン)とは・・国連に加盟する135の発展途上国からなる連合体である。

  ・加盟国の集団的な経済的利益を推進し、国連機関における発言力を強化することを目的としている。

  ・現在の加盟国数は135か国で、2025 (  令和7  ) 年よりイラクが議長国を務める。

       ・1993 ( 平成5 ) 年3月現在、55ケ国が条約を批准又は加入したが ( 条約は60ケ国の批准又は加 入の1年後に発効 )、それらの殆どは発展途上国であり、日本も未だ批准していない。

     ・先進国が批准しない共通の問題点は、以下のとおりである。

          ( 1 ) 生産制限条項が存在し、各年必ずしも生産認可を受けられない。

          ( 2 ) 開発主体に対し制限、義務が多く、商業的に成り立ち難い。

          ( 3)  将来設立される国際海底機構に対する財政負担の問題がある。

     ・前述の事情から条約の普遍性確保の重要性が認識され、国連事務総長のイニシアティブの下に、1990 ( 平成2  ) ~1991年に非公式会議が開催された。

       1992 ( 平成4 ) 年からは、ガリ新事務総長の下で第2ラウンドの非公式協議が行われている。

 現在どうなっているのか分かりませんが、過去の歴史の概要を知ることはできました。氏の論文が教えてくれた「過去の歴史」の事実があった時、日本の首相は誰だったのかをの調べてみましたので、参考までに古い順に紹介しておきます。

 時間と余裕のある方は、各自で確認されると面白いのではないでしょうか。

  昭和35年・・池田勇人氏   昭和45年・・佐藤栄作氏     昭和48年・・田中角栄氏

  昭和50年・・三木武夫氏   昭和55年・・大平正芳氏     昭和56年・・鈴木善幸氏

  昭和57年・・岸信介氏    昭和60年・・中曽根康弘氏    昭和61年・・中曽根康弘氏

  昭和62年・・竹下登氏    平成 1 年・・海部俊樹氏  

 平成7年の村山富市氏どころでなく、池田勇人氏以後の自由民主党の首相が関わっていたことがハッキリしました。「資源小国日本」からの脱皮を図るため、一番力を注いでいたのが故安倍首相だったことを、検討作業の過程で理解しました。

 次回は初心に戻り、中断していた青山繁晴氏の経歴と「株式会社 独立総合研究所」について検討・報告致します。

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自由民主党への疑問 - 19 ( 藤岡洋介氏の論文 )

2025-02-04 14:23:53 | 徒然の記

 〈 2.  J-STAGE            ・・「海底資源掘削の歴史」 藤岡洋介 〉

 今回はJ-STAGE ( ジェイ・ステージ ) に掲載されている 藤岡氏の論文の紹介ですが、J-STAGEと藤岡氏については事前に説明する必要があります。

 J-STAGEも藤岡氏も「ねこ庭」で取り上げるのが初めてなので、情報の信頼性に自信がありませんでした。藤岡氏の経歴が探しても見つからないこともあり、戸惑いました。

 しかしJ-STAGEについて調べると、下記の通り取り上げても心配なしと分かりました。

  ・J-STAGE(ジェイ・ステージ)は、文部科学省所管の国立研究開発科学技術振興機構 ( JST )が運営する、電子ジャーナルの無料公開システム。  

 文部科学省の所管だから信頼できると言うと、反論されるのかもしれませんが、慎重であっても「ねこ庭」は政府機関について批判を優先しません。新しい知識を得て驚く方が大事ですから、不正確な情報と分かったらその時点で修正すれば良いと考えています。

 現在「ねこ庭」が紹介している一連の情報は、青山氏の説明が、欧米諸国の実績を省略している部分に関する補足修正作業とも言えます。

 〈「海底資源掘削の歴史」 藤岡洋介 〉

  ・マンガン団塊は、1873~1876年 のイギリスの海洋調査船による航海で発見された。

 驚いたのはこの説明です。1873年と言えば、明治6年になります。一番古いと思っていたアメリカの「モホール計画」より、88年も前です。しかしイギリスの調査が他国にどの様な影響を及ぼしたかについて、特段の説明がありませんので、一つの事実として紹介しただけなのかもしれません。

 参考になる情報がまだ沢山ありますので、続きを紹介します。

  ・1960 ( 昭和35  ) 年代初め、商業ベースでの開発対象と考えられるようになり探査活動が活発となった。又1960年代には、CRC、海底熱水鉱床 も発見 された。

  ・1970 ( 昭和45  ) 年代には、西側先進諸国間では国際 コンソシアム を形成し、マ ンガン団塊の調査 ・開発に当り、採鉱実験, 製錬実験等も実施した。

  ・一方従来の海洋法では、深海底鉱物資源の調査 ・開発に対処 出来 ない等の諸問題が生じ、1973 ( 昭和48  ) 年に第3次国連海洋法会議が開催され、1982 ( 昭和57  ) 年に国連海洋法条約が採択され た 。

 海底の探査もいわば宇宙開発と同じ、地球規模の問題です。各国が自由気ままに行動するのでなく、国際的な合意が必要になります。やはり、何らかの国際的な枠組みがあったということです。

  ・1983 ( 昭和58  ) 年に計159ケ国が署名、日本もこの条約に署名したが 米、英、独は条約の深海底鉱業の規定に不満を表明し署名していない。

       ・ 同年に同条約準備委員会が設置され、条約発効のための準備を続けているが、条約採択後10年を経た現在未だ発効されていない。

 「ねこ庭」息子たちもここまで知る必要はありませんが、藤岡氏のお陰で国際的な動きが分かるのは有り難いことです。

       ・1983年から1984年にかけて日、仏、ソは太平洋に、印はインド洋に鉱区の登録を申請し、1987 ( 昭和62  ) 年に正式に鉱区登録を完了した 。

  ・我が国の深海底鉱物資源の開発事業は、1974 ( 昭和49 ) 年の地質調査船白嶺丸竣工、深海底鉱物資源開発協会 ( DOMA ) の設立等により、官民の力を結集したナショナルプ ロジェクトとして本格的となる。

  ・1980 ( 昭和55  ) 年、探査専用船第2白嶺丸が完成、

  ・1982 ( 昭和57  ) 年、深海底鉱業暫定措置法が制定され、深海底鉱物資源開発(株) ( DORD ) が設立

 地質調査船白嶺丸の名前を初めて聞きますし、 DSDP、IPOD、DOMA、DORD、SOPACと聞きなれない略称が出てきて頭が混乱しますが、気にせずに進みます。

  ・以来DORD ( 深海底鉱物資源開発(株) ) は、海洋法準備委員会から鉱区登録された我が国唯一の会社として、かつ深海底鉱物資源開発の本格的探査活動を継続

 具体的には金属鉱業事業団と鉱業技術院が以下の調査を実施しています。

 〈 金属鉱業事業団 〉

  ・1975 ( 昭和50  ) 年以降、マンガン団塊調査、

  ・1985 ( 昭和60  ) 年以降、海底熱水鉱床調査及びSOPAC (南太平洋応用地球科学委員会) 諸国に対する資源開発協力基礎調査、

  ・1987 ( 昭和62  ) 年以降、コバルトリッチクラストの調査,

  ・1989 ( 平成1  ) 年以降、「深海底鉱物有用金属の回収技術開発」及び「マンガン団塊採鉱環境影響調査を実施

 〈 工業技術院 〉

  ・1981 ( 昭和56  ) 年以降大型プロジェクトとして「マンガン団塊採鉱システムの研究開発」 を実施

 ・1983 ( 昭和58  ) ~86 ( 昭和61  ) 年に特別研究として、マンガン団塊の塩酸浸出法による基礎研究を実施 

  海底資源開発に初めて取り組んだのは、平成7年の村山内閣だったという説明も、藤岡氏の論文が修正してくれました。論文はまだ続きますが、頭の整理のため小休止します。
コメント (1)
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