ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

自由民主党への疑問 - 18 ( 「モホール計画」と「 深海掘削計画 」  )

2025-02-03 23:10:36 | 徒然の記

 突然ですが、予定を変更します。

 ・同時期に欧米諸国は「海底資源の掘削」にどの様に対処していたのか、資料がありませんので分かりませんが、日本が独自に探査を始め、掘削技術の研究に取り組んだとは考えにくい話です。

 前回この様に述べましたが、欧米諸国による探査が何時から始まったのかを説明する資料を、2件見つけました。

  1.  ウィキペディア ・・「モホール計画」 「 深海掘削計画 」 

  2.  J-STAGE            ・・「海底資源掘削の歴史」 藤岡洋介

 ご存知の方には何でもない情報ですが、この2件は「ねこ庭」だけの知識とせず息子たちと、訪問される方々に報告せずにおれない内容です。青山氏の経歴と「株式会社 独立総合研究所」に劣らない重要な情報なので、予定を変更しました。

〈 1.  ウィキペディア・・ 「モホール計画」「 深海掘削計画 」 〉

  ( 1 ) モホール計画( Project Mohole)とは、

   ・地球の地殻を貫いてホロビチッチ不連続面まで掘削を行おうという、アメリカの大計画

   ・ケネディーが大統領に就任した1961年、ボストーク1号に単身搭乗したガガーリン少佐が、人類初の有人宇宙飛行に成功した

   ・宇宙開発競争でソ連に取った遅れを、地球科学で挽回しようという目的もあって計画された

   ・アメリカ国立科学財団が資金援助をし、アメリカ雑学協会 ( American Miscellaneous Society ) が主導した。

   ・陸地ではなく海底が掘削された理由は、陸より海底下のほうが地殻が薄く、掘るべき深さが小さくて済むからである。

 日本が独自に探査を始め、掘削技術の研究に取り組んだとは考えにくい話ですと述べましたが、背景に米ソの「覇権争い」がありました。「ねこ庭」の素人考えも、たまには当たるようです。

   ・1961年に実行された第一段階では、メキシコのグアダルーペ島沖に5つの穴が掘削された。そのうち最深のものは海面下3,500mの大陸棚を183mまで掘り下げた。

   ・穴の深さという点ではなく、海の深さおよび、固定されていないプラットフォームから試錐がなされた点において前例のない成果であった。

   ・また、コアサンプルの最下部13mは玄武岩からなる中新生堆積物であり、大変貴重なものだった。

   ・モホール計画では、ロサンゼルスのグローバル・マリーン社の石油掘削船カス1号 ( CUSS I ) が使われた。

   ・コンチネンタル ( Continental )、ユニオン ( Union )、スペリオール ( Superior )、およびシェル ( Shell ) の5石油会社によるコンソーシアムが、1956年に技術的試作品として開発した船で、その頭文字をとったもの。

   ・当時半径180m内で船位調整した技術は、現在の自動繊維保持装置へ進歩した。

   ・モホール計画の第一段階は、地球のマントルまでポーリングを行なうことが、科学的にも技術的にも可能であることを証明した。

   ・しかしながらモホール計画の第二段階は、運営の不手際と予算の超過のために1966年に頓挫した

   ・モホール計画で培われた技術は、1960年代後半の「深海掘削計画」や1970年代後半の「国際深海掘削計画」に引き継がれ、プレートテクトニクスの理論確立など、地球物理学や海洋地質学など学術分野に大きな進歩をもたらした。

   ・また、これら計画で得られた海洋底掘削技術は、海底油田の掘削、生産技術に貢献している。

 日本が初めて海底資源の探索に取り組んだのが、1995 ( 平成7 ) 年の村山内閣の時ですから、アメリカは34年も前から実行していた大先輩でした。同国の苦労の成果を得て、日本が海洋資源の開発競争に参加していたと知りました。先人への感謝と敬意を忘れない姿勢は日本の文化ですから、アメリカに感謝します。

 この気持が冷めないうちに、 深海掘削計画 」の情報をコメント無しで紹介します。退屈された方は、スルーしてください。

  ( 2 ) 深海掘削計画( DSDP: Deep Sea Drilling Project)とは

   ・昭和43 ( 1968 ) 年から昭和58 ( 1983 ) 年まで実施された海洋底の掘削・研究を行う科学プロジェクト。

   ・地球物理学、古生物学、海洋の古環境学などに多大な貢献をした。

   ・モホール計画の失敗から、DSDPではもっと浅い掘削によって深海底堆積物や地殻上部を研究することとなり、深海掘削船としてはグローマー・チャレンジャーが使用された。

   ・当初の課題は海底の岩石を採取し、年代測定、海洋底広大説を直接証明することであった。

   ・そのために、南アメリカ大陸側のリオデジャネイロ沖合いの大西洋でボーリングを行い、地磁気から海底の形成年代が求められた。

   ・その結果、中央海嶺から遠ざかるにつれ海洋底の年齢が古くなっていることが確認され、海洋底拡大説が立証された。その後も、世界の各大洋での海底年代、堆積構造、海底地殻岩石の採集などを行った。

   ・当初アメリカの四つの海洋研究所が、合同で海洋底の掘削・研究を行う国内プロジェクトであったが、計画は昭和58 ( 1983 ) 年の第96節航海をもって終了した。

   ・昭和51 ( 1976 ) 年以来、アメリカ、日本、イギリス、フランス、西ドイツ、ソ連の国際協同による「国際深海掘削計画」( IPOD: International Phase of Ocean Drilling) となり、国際プロジェクトとなった[

 アメリカはライバルのソ連を参加させ、日本も仲間に加えていました。平成7年の村山内閣の時、突然日本が独自で海洋資源開発に乗り出したのでないことがよく分かりました。

 次回は残る一件である 「J-STAGE」の情報を紹介しますが、さらにびっくりする事実があり学徒の「知る喜び」も満足させてくれます。学徒でない方は、退屈されるだけですからスルーしてください。

〈 2.  J-STAGE            ・・「海底資源掘削の歴史」 藤岡洋介」 〉

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自由民主党への疑問 - 17 ( 素朴な、新たな疑問 )

2025-02-03 13:45:57 | 徒然の記

 「メタンハイドレート」の有効性を探求するため、最初のプロジェクトを開始したのは平成 7 ( 1995 ) 年の村山内閣でした。

  当時の石油公団 が民間10社を率いて、特別研究「メタンハイドレート開発技術」を設立しています。以来小渕内閣、小泉内閣、麻生内閣、安倍内閣と歴代の内閣が引き継ぎ、今日で30年が経過しています。

 シリーズの第1 回目に高市氏が語っていた様に、令和5年度の日本のエネルギー自給率は依然として15.2 %という低さです。青山氏は、開発の遅れの原因が経済産業省にあると説明していますが、30年が経過しても実用化の目処が立たない背景には、やはり海底資源掘削に技術的な困難さがあるのではないかと考えられます。

 青山氏を「ほら吹き」と揶揄する意見もありましたので、シリーズの3 回目に「 青山氏の意見は根拠のない嘘なのか ? 」というタイトルで検討しました。村山内閣以降の取り組みを調べますと、氏の意見が根拠のないものでないことが分かりました。

 空理空論のため歴代の内閣が予算を投じて、海底資源の開発研究を続けるとは考えられないからです。再検討のため、シリーズ 3回目で調べた事実を下記に転記しました。

 〈 平成11年 ( 1999 ) 小渕内閣 〉

   ・「南海トラフ」で、日本の海洋で初めての「砂層型メタンハイドレート」の存在確認。

 〈 平成13年 ( 2001 ) 小泉内閣 〉

         ・経済産業省「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」を発表、本格的な開発研究開始。

   ・開発計画をけん引する、「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム」(通称、MH21)設立

  ・、東部南海トラフ海域、カナダ・マリック地域で掘削調査、産出試験を実施、メタンハイドレート開発に必要な技術の検証。

 〈 平成20年 ( 2008 ) 麻生内閣 〉

   ・日本近海が、世界有数のメタンハイドレート埋蔵量を持つと確認。

 〈 平成24年 ( 2012 ) 安倍内閣 〉

   ・「海洋エネルギー資源開発促進日本海連合」( 略称「日本海連合」)設立。

   ・青森県、秋田県、山形県、新潟県、富山県、石川県、福井県、京都府、兵庫県、鳥取県、島根県、山口県など、日本海沿岸の12府県による連合組織。

   ・同連合は本格的な調査・試験が実施されていない」として、経産省に日本海側での予算の確保を要請。

 〈 平成25年 ( 2013 ) 安倍内閣 〉

   ・渥美半島~志摩半島沖(第二渥美海丘)で、世界初の海洋産出試験を実施。

   ・約12万立方メートル(速報値)のガスを生産、メタンハイドレート開発の機運が高まった。

   ・通商産業省の新たな「海洋基本計画」と「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」が改定。

   ・商業化プロジェクトに向けた目標を初めて設定し、海洋産出試験を含む工程表を提示

 〈 平成26年 ( 2014 ) 安倍内閣 〉

   ・「日本メタンハイドレート調査株式会社 ( JMH ) 」を、次の目的で設立

         1.  国が実施するメタンハイドレート開発の、海洋産出試験等に参画。

        2. 挙国的組織体制で、効率的、効果的、円滑に業務を遂行。

        3. 国内民間企業間での知見の共有のため、石油・天然ガス開発企業、エンジニアリング企業11社が賛同・参加

 〈 平成27年 ( 2015 ) 安倍内閣 〉

   ・メタンハイドレートの実用化と開発加速化のため、「日本海連合」に青森県、山口県が加入。

 同時期に欧米諸国は「海底資源の掘削」にどの様に対処していたのか。歴代内閣がどの程度の資金を投入していたのかなど、資料がありませんので分かりませんが、日本が独自に探査を始め、掘削技術の研究に取り組んだとは考えにくい話です。

 青山氏が【僕らの国会】で、こうした経緯を説明したのを聞いたことがありません。複雑な話なので省略したのかとも思いますが、歴代内閣の取り組み実績を調べ、「ねこ庭」はまた新たな疑問を抱きました。

 氏の説明によると「メタンハイドレート」問題に取り組んできたのは、かって氏が社長を勤めていた「株式会社 独立総合研究所」です。

 平成13年の小泉内閣の時、経済産業省が設立した「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム」(通称、MH21)や、平成26年の安倍内閣が設立させた「日本メタンハイドレート調査株式会社 ( JMH ) 」の名前は出てきますが、「株式会社 独立総合研究所」の名前がどこにも出てきません。

 ・氏が説明する様に同社が日本のパイオニア企業であるとするのなら、30年間の活動実績の中でなぜ同社の動きが語られないのか。

 【僕らの国会】での氏の説明を信じ、氏を支援してきた「ねこ庭」には、素朴であるだけに重要な疑問になります。

 次回は初心に戻り、氏の経歴と「株式会社 独立総合研究所」について検討したいと思います。ご存知の方はスルーしてください。

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