9月3日 月曜日 曇り
●秋海どうは裏庭の手洗い場のまわりにも咲いている。この手洗い場にはむかしレストランを経営していたときの営業用の大型の流しが置いてある。ステンレスだからさびがでない。さびがでて、古びてくれればいいのにと思う。記憶、とくに失敗した挫折の記憶は早く忘れてしまいたいのに、レストランで使っていた厨房器具がピカピカの真新しいままで存在している。だから、わたしは裏庭にでることをあまり好まない。いろいろな不愉快であったことが思い出されて悲しくなる。そうしたとき、半日陰で、秋海どうが秋風にゆらぐのをみていると心がなごんでくる。淡い紅色の花が風にそよぐ風情をみていると「わすれること、わすれること。いやな思い出は一日も早くわすれること」とささやきかけてくる。そうだよな、うまくいかなかったことをくよくよといつまでも覚えていてもしかたがないよな。とわたしはじぶんを納得させる。
●そこで一句。
うなだれて風になびけと秋海どう
●秋海どうは裏庭の手洗い場のまわりにも咲いている。この手洗い場にはむかしレストランを経営していたときの営業用の大型の流しが置いてある。ステンレスだからさびがでない。さびがでて、古びてくれればいいのにと思う。記憶、とくに失敗した挫折の記憶は早く忘れてしまいたいのに、レストランで使っていた厨房器具がピカピカの真新しいままで存在している。だから、わたしは裏庭にでることをあまり好まない。いろいろな不愉快であったことが思い出されて悲しくなる。そうしたとき、半日陰で、秋海どうが秋風にゆらぐのをみていると心がなごんでくる。淡い紅色の花が風にそよぐ風情をみていると「わすれること、わすれること。いやな思い出は一日も早くわすれること」とささやきかけてくる。そうだよな、うまくいかなかったことをくよくよといつまでも覚えていてもしかたがないよな。とわたしはじぶんを納得させる。
●そこで一句。
うなだれて風になびけと秋海どう