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法眼武は鹿沼警察署に隣接した公衆トイレに入ろうとしていた。
街角の公園の隅にあるトイレまではほんの数十歩だ。
デカ部屋をでたときすませてくればよかった。
縦揺れの地震があったのを機に仲間とわかれてきた。
尿意はふいにおき、すでにがまんできない。
お茶をのみすぎていた。
そうだ。
部屋をでるときは、モヨオしていなかった。
だから……すませてくればよかった、……というのは正しくない。
なぜふいに……尿意をもよおしたのか。
つまらないことを理屈っぽく考える。
トイレの建物にはいった。
人のはいってくる気配をセンサーでとらえる。
スタートした音楽がすでになっていた。
お猿のかごやだ、ほいさっさ。
というメロデーがなっていた。
なんだ……この選曲は。
この夜も更けようとしているのに先客がいた。
ながながと尿をした。
背後のふたつある扉は開かない。
おおきいほうの用をたしている気配がない。
それどころか、人がはいっているようすもない。
だが、確かにだれかいる。
そのまま立ち去れなかった。なにか、ある!!
刑事のカンが武にもついてきたのかも知れない。
奥の扉の下から水がながれてきた。
配管がこわれて、水があふれている? 水には色がついていた。
赤い。赤錆色のどろっとしたながれはまるでいきているようだった。
タイルのつなぎめの凹みをアミダくじのように流れてきた。
蛇行する線となって流れてきた。
ぶるぶるふるえていた。
血だ。
トイレの悪臭。
アンモニア臭にまぎれていた血の匂いが濃密にただよってきた。
まちがいない。
殺人課の刑事が嗅ぎつけた匂いだ。
またかよ、こんな田舎街で。
おおすぎるよ。
扉のノッブに素手で手をかけるようなへまはしなかった。
いつも携帯してる白の手袋をした。
刑事が第一発見者かよ。
さえねぇ、事件だ。
だが、開いた扉のなかには、予想を超えたモノがあった。
便座に男が座っていた。
喉元が三日月型に大きく裂かれている。
血はそこからながれだしていた。
下半身はむきだし。
もっともトイレの便座にすわっている。
だから、それは異常なことではないかもしれな。
ボッキしていた。
男根が快楽の絶頂といったふくらみをみせていた。
天をついていた。
さきっちょから白濁した液がふきだしている。
しゃぶられていたのか。
腟のなかにあって快楽をむさぼっていたのか。
自分でシゴイテいたのか。
武はそんなことを職業的に考えた。
男には見覚えがあった。
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法眼武は鹿沼警察署に隣接した公衆トイレに入ろうとしていた。
街角の公園の隅にあるトイレまではほんの数十歩だ。
デカ部屋をでたときすませてくればよかった。
縦揺れの地震があったのを機に仲間とわかれてきた。
尿意はふいにおき、すでにがまんできない。
お茶をのみすぎていた。
そうだ。
部屋をでるときは、モヨオしていなかった。
だから……すませてくればよかった、……というのは正しくない。
なぜふいに……尿意をもよおしたのか。
つまらないことを理屈っぽく考える。
トイレの建物にはいった。
人のはいってくる気配をセンサーでとらえる。
スタートした音楽がすでになっていた。
お猿のかごやだ、ほいさっさ。
というメロデーがなっていた。
なんだ……この選曲は。
この夜も更けようとしているのに先客がいた。
ながながと尿をした。
背後のふたつある扉は開かない。
おおきいほうの用をたしている気配がない。
それどころか、人がはいっているようすもない。
だが、確かにだれかいる。
そのまま立ち去れなかった。なにか、ある!!
刑事のカンが武にもついてきたのかも知れない。
奥の扉の下から水がながれてきた。
配管がこわれて、水があふれている? 水には色がついていた。
赤い。赤錆色のどろっとしたながれはまるでいきているようだった。
タイルのつなぎめの凹みをアミダくじのように流れてきた。
蛇行する線となって流れてきた。
ぶるぶるふるえていた。
血だ。
トイレの悪臭。
アンモニア臭にまぎれていた血の匂いが濃密にただよってきた。
まちがいない。
殺人課の刑事が嗅ぎつけた匂いだ。
またかよ、こんな田舎街で。
おおすぎるよ。
扉のノッブに素手で手をかけるようなへまはしなかった。
いつも携帯してる白の手袋をした。
刑事が第一発見者かよ。
さえねぇ、事件だ。
だが、開いた扉のなかには、予想を超えたモノがあった。
便座に男が座っていた。
喉元が三日月型に大きく裂かれている。
血はそこからながれだしていた。
下半身はむきだし。
もっともトイレの便座にすわっている。
だから、それは異常なことではないかもしれな。
ボッキしていた。
男根が快楽の絶頂といったふくらみをみせていた。
天をついていた。
さきっちょから白濁した液がふきだしている。
しゃぶられていたのか。
腟のなかにあって快楽をむさぼっていたのか。
自分でシゴイテいたのか。
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