田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

あらたなる侵略/奥様はバンパイァ  麻屋与志夫

2009-11-15 22:20:28 | Weblog
奥様はバンパイァ 75

○「Mには過去に遡行する能力がある。


わたしと結婚するときに目覚めた。


この能力は過去のあらいる事件や、歴史を記憶している。


Mの家系の女にだけ引継がれる」


「それって、元祖歴女ってことね。


わたしも結婚すれば歴史のことに興味をもつだけでなくて、なんでも思いだすって


ことなの。


それって、すごいことだよね」


玲加がキッチンからキリマンの芳香をはなつコーヒーをはこんでくる。


武がまぶしそうに玲加をみつめている。


○「とうぶんはここで武君も生活するといい。


なかまもつれてきたほうがいいな。


なにがおこるか、わからない」


「おきてるわ」


玲加がテレビをゆびさす。


液晶画面にはこの街のケーブルテレビが映っていた。


蝿が大量に発生していると報じている。


そして蝿が街の街頭。

スウーパーの内部。


家庭。


をとびまわっている。 


「どうしょうというのだ。


なにをしようとしているのだ」


「Mにきいてみる」


玲加がパソコンを開く。


「はやくでて。


Mima。


おしえて。


どうすればいいの」


画面があかるくなった。


Mがほほえんでいる。


「こちらから連絡しょうとしてたの」


「ミイマ、たすけて」


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受験生の皆さん、頑張ってね  麻屋与志夫

2009-11-15 04:37:14 | Weblog
11月15日 日曜日

●at2:15a.mに起床して「奥様はバンパイア」書き継いだ。


この時間だと、受験生はまだ机にむかっているのだろうな。


がんばってください。


そんなことを考えた。


●わたしは永遠の受験生。


毎晩こそこそとおきだして愛機ハルに向かっています。


小説を書くのが好きでたまらないから書きつづけてきました。


勉強を苦しいと思わないでください。


●どうせ机に向かって勉強しなければならないのでしたら、こんなたのしいことは


ない、こんなたのしいことはない、と思ってやるとほんとうに勉強がたのしくなり


ますよ。


●ではGGはすこしコタツでうたた寝をします。


おさきに睡眠ゴメンナサイ。


がんばってね。




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さすがは歴女玲加/奥様はバンパイァ  麻屋与志夫

2009-11-15 04:10:38 | Weblog
奥様はバンパイァ 74


○「これを庭に敷き詰める」

「なに!? これなんですかG」

「化学の時間にみなかったか」

「ああ、理科の時間のこと」

「そうなるかな。硫黄なんだ。むかし、麻屋をやっていたころ麻を薫製して白く漂

白するのに使っていた」

「これが……どうするの」

玲加とGの会話をききながら武も古典的な紙製のセメント袋の中身を庭にぶち

けている。

硫黄の塊が校庭を黄色にそめあげる。

「はやくしろ。みんな、あんなに苦しんでいる」

玲加と武に硫黄を撒き散らす作業をまかせた。

Gはなんとアメリカ製の火炎放射器を背負ってくる。

武器を持ってきたとはこのことだった。

蝿の大群がバラ園のあるわが家をおそったと玲加から連絡があった。

あのときすでに、このことを予測していた。

Gは厚木のキャンプにいたころの伝手を頼ってweapon shop(武器屋)からかきあっめ

てきたのだ。

中古ではあるがバババット焔がでた。

「G!!! すごい。ゴーストバスターズみたい」

放射された焔で硫黄がもえだした。

その青い焔は蝿の大群にむかつてたちのぼっていく。

蝿の黒雲に乱れが生じた。

バサバサとかたまって蝿がおちてくる。

「噴霧器もあるでよ」

Gが古いふるい親父ギャグをとばす。

こんどは園芸用の大きな噴霧器をせおってくる。

「武も玲加もまだ噴霧器はくるまにある。やってみたら」

○玲加は理解した。

「G。これって芭蕉だね」

さすがは歴女玲加。

奥の細道の殺生石のくだり。

『石の毒気いまだ滅びず、蜂・蝶のたぐひ、真砂の色の見えぬほど重なり死す。』

を暗唱する。

蝿もグランドの色が見えないほどうち重なって死骸となった。

蝿も硫化水素や炭酸ガスにわよわいといったのは、Gに知らせたのはカミサンだっ

た。

硫黄の青い焔は地獄に燃えるものという。

まさにキャンパス地獄の様相をていしていた。

大勢の生徒が耳を押さえて苦しんでいる。

こんどは硫黄のけむりにむせている。そしてせき込みくるしむ。

「マスクをして。マスクよ」

ここは花粉アレルギー発見の土地。

なにしろ日光の杉並木がある。

みんながマスクは常備している。

「テッシュで耳栓をするんだ」

蠅に生徒たちはみみを侵されている。

これまた玲加がすばやく理解。

Gとおなじことをいって空に殺虫剤を噴霧しながら生徒たちのなかにはしりこむ。

「耳栓をして。テッシュで耳栓をして」

○飛ぶものは雲ばかりなり石の上

芭蕉の高弟中川乙由の門人麻父の作品よ。とM。

大型パソコンの液晶画面に映ったMがほほえんでいる。

車の中で玲加はMに校庭の様子を実況報告している。

神代寺のMはこの光景をライブでみている。

「おばさま、まさかまさかあの時代に生きていた……なんてことない……ですよ

ね」

「さあ、どうかしら」

「M――。わたしより若いみたい。化沼高校に転校してきませんか」

「謎の転校生になって? それもわるくはないかもね……」

○校庭は蝿の山。どうやら蝿の攻撃も静まったようだ。



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