田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

引き返す勇気  麻屋与志夫 

2012-11-07 05:28:06 | ブログ
11月7日 水曜日

引き返す勇気

●ひとはむやみにさきに進みたがる。
ときには、立ち止まっていまじぶんのいる場所をよく認識するのも必要なのになぁ。
引き返すこともかんがえるべきなのに――。
万里の長城で遭難した人たちの話をテレビで見てかんがえた。

●たったひとり生き残った老婆が、
外見よりは若いのだろうが、
「引き返したら、もっとひどかったとおもう」というようなことをいっていた。
ひとはいっなんどきでも、じぶんの選択のあやまりを否定できないものだ。
おなじような結果をまねくとしても、
ひきかえして、
遭難したほうが、
GGは知性のある行動ではなかったかとおもう。
その場にいなければ、
なんともいえないことなので、
この問題を超えて、
物のかんがえかたとしてそうおもうのだが、
どうなのでしょうね。

●なにか新しい感動。
知らない土地の景観をみて感動したい。
テレビの映像だけではあじわえないような、
皮膚感覚での感動。
空気がちがう。
頬をなでる風がちがう。
ひろびろとした景色を眺めるときの感動。
そういう感動をあじわったことがないから、
旅の醍醐味を否定するのだとGGはよくいわれる。
まったく見当違いな批判だ。
GGは外出好きだ。
ひまさえあれば、外を歩く。
旅にも出たい。
山にも登りたい。
旅のきらいな文学者などいまい。

●まえにもかいたが、
日光の鳴虫山で遭難しそうになったことがあった。
全行程5時間くらいのなんということはない山道だが、
ここから、引き返したほうがいいという判断をした。
そのときの状況を説明すると長くなるのではぶくが、
その決断は井上靖の「氷壁」を読んでいたからだった。
引き返す事の勇気みたいな教訓をあの作品から読みとっていたからだ。
文学の教養にたすけられた。

●本を読むことは知の体験。
知の旅行。
知の感動。
を――。
それらすべてを身に沁み込ませることだ。
おもわぬところで、身の処置のしかたに迷ったときのたすけになる。

●本を読むことは人生のシミュレーションをしていることになる。

●読書の秋だ。
本を読みながら遭難した人たちの冥福を祈ろうではありませんか。

●そしてじぶんなら、どう判断したろうか。
とかんがえてください。

●しばらくぶりで先生面をしたおもいです。
面映ゆいです。
シツレイシマシタ。




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