田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

夢見るGGの夢占い(1)  麻屋与志夫

2012-11-27 08:39:40 | 夢見るGGの夢占い
11月27日 火曜日

夢見るGGの夢占い。

●夢を見た。

○高いトタン屋根の上に登っていた。
下から家族のものが、みあげていた。
カミサンはそのなかにいない。
どうやら、屋根のグシに腰をおろしているのはGGではない。
若者であったころの、ワタシダ。
グシ瓦があるわけがない。
トタン屋根の、このてっぺんをグシとよんでいいものなのだろうか。
などと考えている。
これはいまのGGの心の疑問だから夢は面白い。
過去と現在が混然一体をなしているところが、面白いのだ。

○眼下のひとたちは、なにかはなしあっている。
はなしの内容はききとれない。
それをなんとかききとろうとしている意識は、いまのGGのものになっている。
家族の話題は、わかいときのわたしのことらしい。
この渾然ぶりがおもしろい。
ああ、夢を見ているのだ。

○わたしは屋根にのぼってホタルをとろうとしているらしい。
昼間なのにホタルがいる。
それも、光っている。
それを不思議とはおもっていないようだ。

○わたしのすぐそばで、NHK英会話講師の鳥飼玖美子先生がいともたやすく、
ホイホイとホタルを指先でつまんでいる。
その技には、熟練の美しさがある。
「いいな」と羨望。

○わたしは立ち上がる。
足をすべらせる。
命綱はつけていない。
ずるずるとすべった。
屋根に突き出た煙突に救われた。
エントツに足をかけてもちこたえた。
もういちど、テッペンに向かう。
登りはじめる。

●夢の解釈。
鳥飼先生は東京オリンピックに現役大学生として通訳をつとめた。
わたしは30歳。栃木県の観光課によばれて通訳として勤務した。
彼女はわれわれの(わたしは少し上だが)――世代の英会話の勉強をしていた者のヒロインだった。
この夢では、チョウテンをきわめたものの象徴として現れている。
わたしはいまGGとなりはて、この歳で文学賞に挑戦している。
みごとwinnerとなれればいいな。
と……いう……はかない遅すぎる願望のあらわれ、そのねがい。
テッペンをいまさらながら……。
とりたいという希望の……。
シンボルとしての鳥飼先生なのだろう。

●この世は。Winner takes all.

●GGは万骨だ。
ほら、一将功成りて万骨枯る。
というじゃありませんか。
すこし諺の引用がちがうかな?

●エントツは――。
このところカミサンとよく冬の街をあるいている。
トタンのエントツ、銅板のエントツをみかける。
だからだろう。
震災後、電気の停電や石油不足。
そのせいでもなかろうが暖炉のある家がふえている。
自然の燃料が見直されているのかも。

●カミサンの場合は、ロマンチックなこころのモチーフ、動機からだ。
いつになっても竹久夢二の感傷の世界にどっぷりの少女趣味。
そこが可愛いのだが。
毎年冬になると、暖炉のある家を羨ましがる。
「暖炉のある家にお嫁に行けばよかった」
などと穏やかではないことをいう。

●軒下に薪が積んである家をみかけると立ち止まる。
「いいな。いいなぁ」の連発。

●VIVAやカンセキの暖房コーナーでもしばらく佇む。
霧降の「山のレストラン」に数年前の冬たまたまよったことがあった。
暖炉がすてきだった。
「またいこう……」とつぶやく。

●カミサンの暖炉のある部屋に住みたいという夢は、GGが果たしてやらなければな

●明け方階下のトイレにいった。
GGの気配に。
「まだ眠れないのょ」
障子ごしに、カミサンが声をかけてきた。
カミサンも夢をみて起きてしまっていたようだ。

●おたがいに似たもの夫婦。
これからまた眠りに就かなければ、身体がもたないだろう。
夢をまたみるとするか。
夢からさめないほうがいい。





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