2月13日 水曜日
●うっすらと雪化粧をしていた庭が朝日に照らされて黒い土をみせはじめた。
きらきらきらめきながら淡雪がとけて消えていく。
とけた雪の水分をすった大地は、匂い立つようなやわらかな土色の土。
そして、バラの芽がこころなしかふくらんできている。
●今年の春は楽しみだ。
裏庭の3坪ほどの広がりに、胸いっぱいの期待と希望をこめてカミサンがバラ園? を造成している。
「バラ園なんていわないで。こんなに狭いんのよ。笑われまいよ」
●たしかに狭い。
でも――わたしの望みはおおきく広がる。
バラ園といわれるのにふさわしい土地を購入するまでは、がんばって働き続ける。
小説を書くいがいに、さしたる希望もなく過ごしてきた。
いまやっと生きる目的がひとつふえたことになる。
小説家は――本を読み、書き、悩み、ひとり密室にとじこもっての作業だ。
バラ園は青空のもと、大地との触れ合いが基本だ。
●といっても、GGはなにもしない。
なにも手伝わない。
日常の生活でもカミサンの手助になるようなことは、した記憶がない。
カミサンが庭で作業するのを縁側でコーヒーをのみながら眺めているだけだ。
●こう書くと、悠々閑々とした日常をすごしているようだが、そうではない。
このところ小説がおもうように書けていない。
昨夜もウナサレタ。
悪夢をみた。
どんな悪夢だったのか、すごく怖かった。
ぜんぜん憶えていないところが、なおさら怖い。
添え寝してくれている猫のブラッキーの首をなんども夢の中でしめたらしい。
猫からしたらいい迷惑だ。
●アレッ。なにを書いていたのだろう。
なにを書こうとしていたのだろう。
そうだ、カミサンの仕事をなにも手伝わない亭主だが――創作に励んでカミサンに広大な庭を提供したい。
そういうことを書きたかったのだ。
遊んでいるわけではありません。
●この年になって、お金を稼ぎ、土地を買いたい。
なんて……こりゃぁもう統合性失調症だ!!
●庭ではクリスマスローズが咲いている。
まもなく正岡子規の短歌ではないが赤くやわらかなバラのトゲ(針)がみられる。



桜草

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「バラ園なんていわないで。こんなに狭いんのよ。笑われまいよ」
●たしかに狭い。
でも――わたしの望みはおおきく広がる。
バラ園といわれるのにふさわしい土地を購入するまでは、がんばって働き続ける。
小説を書くいがいに、さしたる希望もなく過ごしてきた。
いまやっと生きる目的がひとつふえたことになる。
小説家は――本を読み、書き、悩み、ひとり密室にとじこもっての作業だ。
バラ園は青空のもと、大地との触れ合いが基本だ。
●といっても、GGはなにもしない。
なにも手伝わない。
日常の生活でもカミサンの手助になるようなことは、した記憶がない。
カミサンが庭で作業するのを縁側でコーヒーをのみながら眺めているだけだ。
●こう書くと、悠々閑々とした日常をすごしているようだが、そうではない。
このところ小説がおもうように書けていない。
昨夜もウナサレタ。
悪夢をみた。
どんな悪夢だったのか、すごく怖かった。
ぜんぜん憶えていないところが、なおさら怖い。
添え寝してくれている猫のブラッキーの首をなんども夢の中でしめたらしい。
猫からしたらいい迷惑だ。
●アレッ。なにを書いていたのだろう。
なにを書こうとしていたのだろう。
そうだ、カミサンの仕事をなにも手伝わない亭主だが――創作に励んでカミサンに広大な庭を提供したい。
そういうことを書きたかったのだ。
遊んでいるわけではありません。
●この年になって、お金を稼ぎ、土地を買いたい。
なんて……こりゃぁもう統合性失調症だ!!
●庭ではクリスマスローズが咲いている。
まもなく正岡子規の短歌ではないが赤くやわらかなバラのトゲ(針)がみられる。



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