田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

いちばんオイシイモノをこれから食べるGGです。 麻屋与志夫

2021-09-10 17:53:28 | ブログ
9月10日 金曜日
「とうとう、ルナだけか。さあ、英語の勉強しよう」

GGは黒板に向って、英語の授業を始めた。
中学生の熱気でブァンと教室が膨らんだような時があった。
教え子の顔がつぎつぎとうかぶ。教室には今は、生徒はいない。

「母国のアメリカに行ったときに英語が理解できないと困るからな」
GGは一人寂しくアメショウのルナを相手に一人授業を始めていた。
ルナは神妙な顔でGGを見あげている。

いつかはこういう時が来る。
それは覚悟していた。
でも、生徒が中二が一人。教室はいつもガランとしてさびしいかぎりだ。

歳を重ねるということは、一過性のことなので何が起きるかわからない。
脳梗塞で倒れた時、ベットで、「イシの力ではどうしようもないことなので、驚いた」
と、ロレロレの発音でいった。
担当医が目を白黒させて驚いていた。
それで気がついた。
わたしは「意志」といったのだが彼は「医師」と聞き取ったらしい。
I am strong-willed. おもわず英語になった。
「あっ。アサヤ先生だ」看護師が教え子のKちゃんだった。
保険証の名まえ麻屋とはちがうので、わからなかったらしい。
街にでても、懐かしい顔に声をかけられる。

さて、これからが本番。
一番やりたかったことで、がんばりぬきたいものだ。
もちろん、小説を書くことだ。
この年になって、一番やりたかったことだけ考えて過ごせる。
なんと幸せなことだろう。
一番食べたいものを、最後にまわしたこどものような心境だ。

あと、二十年は頑張るからな。
一緒に、死のうよ、ルナちゃん。
そうすると、ルナも、猫の歳で百歳くらいになるのだろう。



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