田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

ノミコマレル恐怖 イジメ教師は悪魔の顔/麻屋与志夫

2011-10-02 04:18:53 | Weblog
6

相部屋。
広すぎる病室。
節電しているのか。
ほかに入院患者がいないからか。
薄暗い。
陰気な病室の底で。
ベッドでもぞもぞと動いている翔太に。
ひとりぼっちでいるのに。
さびしかったともいわない。
健気な翔太に声をかける。

「帰ろう」
「……………」 
「早稲田のマンションにもどろう」

誠は翔太を急がせた。
その語調の激しさに翔太は怯えた。
なにが起きているのか認知できないでいる。
現実にこれから起ころうとしている現象を。
認識できる年ではない。

もっとも、誠にしてもじぶんの予感には――。
かすかな疑問はある。
わずかなためらいがある。
なにが起ころうとしているのか。
じっさいのところは……。
わからない。

(こちらの勝手にさせてもらう)

翔太を、データーを採集するためだけに。
入院させておくような処置に。
誠は不安を感じた。
宗教への勧誘もあるはずだ。
宗教団体の経営とは確認したわけではない。
とり越し苦労かもしれない。
妄想かもしれない。
じぶんの勘をたよるしかない。
じぶんの直感を信じるだ。
このまま放置しておけば。
勉はベットや。
白すぎるシーッや。
非人間的な医療機関の。
一部となる。
ノミコマレル。
病院に同化させられてしまう。
翔太を守るのだ。

この世には。
分からないことがおおすぎる。

動機をうまく隠して。
ちかよってくるものの存在が――。
増えつづけている。

この世では――。
暴力が膨脹しすぎる。

個の存在を消去する暴力がおおすぎる。

翔太は怯えながらも、父親のいうことに従った。



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